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【元記者の心身カルテ15】 「虹色」の連帯 築きたい

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 梅雨が明けた。雨上がりの虹は沈みがちな心を晴れ晴れとさせてくれる。今回の話題は性同一性障害(GID)について。

 GIDは自分の性への不快感と、反対の性になりたい欲求が強いために苦しむ精神疾患。ここ数年は性別違和とも呼ばれ、障害としてとらえる見方が変わりつつある。一方、いまだにマイノリティーとして差別される現実がある。

 当院に通う「MTF」(体は男性だが女性の心を持つ人)を紹介したい。団塊世代のAさんは幼少時から女の子になりたいと感じていた。友達はみな女性。親には内緒にしたが、男らしくないせいか、兄からは暴力を受けた。剣道とボディービルを習って対抗した。学生運動に没頭した大学時代は武闘派で鳴らし、八年間収監された。年を経て、遅い結婚をした。

 子どもができた後、忘れかけていた「心の中の女性」に気付いた。女装してみた。言いようのない満足感。落ち着く感覚。「やっぱり自分は女なんだ」と悟った。だが、周囲とのあつれきから、抑うつ状態で来院。カウンセリングでAさんの気持ちに寄り添った。

 GIDや同性愛の人たちのシンボルマークの一つが、虹色のレインボーフラッグ。ナチス・ドイツの強制収容所で彼らに使われたバッジがその前身という。多様な性のあり方を認め、彼らと虹色の連帯を築きたい。(心療内科医・小出将則)

 

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