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動脈硬化進む  脂質異常症

生活習慣が原因

 血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪の値が高い場合などに起こる「脂質異常症」。脂肪分の多い食事や過度な飲酒、運動不足が原因とされる。国内の患者数は220万5000人。健康診断で数値の高さを指摘された人も少なくないだろう。放置すると、動脈硬化から狭心症や脳梗塞につながるため、自覚症状がなくても早めに対策を打つことが必要だ。 (花井康子)

生活習慣が原因

 愛知県半田市の公務員広瀬恒次さん(56)は中性脂肪の数値が高く、八年ほど前から薬をのんでいる。三十代以降、健康診断では毎回指摘を受けていたが、放っておいた。

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 若い時から揚げ物や肉などのこってりした料理に加え、ご飯やラーメンといった炭水化物をよく食べた。今は月一回、医者で指導を受け、野菜中心に。たばこをやめ、ジョギングなどの運動も始めた結果、数値は落ち着いている。

 コレステロールは脂質の一種で、人体を保つのに不可欠だ。正常域は血液一デシリットル当たり、悪玉のLDLコレステロールの値が一四〇ミリグラム未満、中性脂肪が一五〇ミリグラム未満、善玉のHDLコレステロール値が四〇ミリグラム以上。一つでもこの範囲を超えると、脂質異常症と診断される。

 コレステロールは、「悪玉」によって全身の細胞や組織に運ばれる。「善玉」は余分なコレステロールを回収する役割を担う。「善玉」が少なすぎたり、「悪玉」が多すぎたりすると、コレステロールが過剰に血液中にとどまることに。血管内の壁に付くと、壁の厚みと硬さが増し、動脈硬化を引き起こす。脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血の塊(血栓)もできやすい。

 脂質異常症のほとんどは偏った食事などの生活習慣が原因だ。「悪玉」は肉や卵といった動物性脂肪を取り過ぎると増える。脂質の多い乳製品も要注意。異常症と診断されたら、コレステロールの摂取量は一日二百ミリグラム未満に抑えるのが望ましい。増えると「善玉」の値が低くなる中性脂肪は、甘い菓子や過度の飲酒を控えることが大事だ。

食事、運動で改善

 食事は、脂質の吸収を遅らせる食物繊維を豊富に含む野菜から食べるよう心掛けたい。また、野菜や大豆製品は血中の脂肪値を下げるので、積極的に取るといい。「善玉」を増やすのに役立つ運動は、長く続けられるよう、軽めのウオーキングやジョギングがお勧めだ。

 脂質異常症に、高血圧や糖尿病、血管を傷める喫煙習慣などが加わると、動脈硬化はさらに進む。生活習慣病に詳しい名駅東クリニック(名古屋市中村区)院長の山本祐歌さん(43)は「仕事が忙しい時などは生活が乱れがち」と指摘。異常値が出たら放置せず、医療機関の支援を受けて生活を改善するよう求めている。

遺伝性の患者も

 脂質異常症の一つで、生まれつき悪玉のLDLコレステロール値が高いのが遺伝性の「家族性高コレステロール血症」だ。患者数は三十万人と推定される。

 名古屋市昭和区の主婦(56)は四年前、激しい胸の痛みに襲われ、「家族性高コレステロール血症」と診断された。投薬治療を続けるが、完治の見込みはない。

 親の悪玉コレステロールの値が高い場合などは、早めに血液検査を受けることが大事。名古屋大大学院循環器内科学教授の室原豊明さん(58)によると、近年は血液中の悪玉コレステロールを低下させる効き目の高い新薬が出ている。「家族性の人も効く可能性が高い」と治療を呼び掛ける。

 

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