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医療

梅雨時の不調  原因は…

低気圧が自律神経乱す

 

こり改善にストレッチを

 梅雨のこの時期、肩凝りや頭痛、だるさといった体の不調を感じることはないだろうか。専門家は「次々と通過する低気圧の影響」と指摘する。気圧の低下が体調不良を引き起こすメカニズムを理解し、ストレッチなどの対処法を駆使して乗り切りたい。 (小中寿美)

 東京都内に住む二十代の女性会社員。高校時代から肩凝りや頭痛、めまいに悩む。症状が悪化するのは低気圧が多く通過する梅雨の時期。内科や耳鼻咽喉科などを受診したが、原因は分からなかった。

 「気象の変化で不調が生じる『気象病』の典型的なケース」と話すのは、女性を診た、せたがや内科・神経内科クリニック(東京都世田谷区)の院長久手堅(くでけん)司さん(46)。気象病は正式な病名ではないが、二十〜四十代を中心に苦しむ人は少なくない。久手堅さんは三年前に気象病外来を開設。以降、多い時で月に百五十人もの新規患者が受診する。

 通常、人間の体は一平方メートル当たり十トンの空気の圧力を受けていて、それを体内から同じ圧力で押し返すことでバランスを保つ。しかし、梅雨の時期は低気圧が次々に通過。外から体を押す圧力が弱まるため、気圧の変化を感知し、脳に信号を送る耳の奥の「内耳」が膨張してしまう。

 「飛行機の中など気圧の低い場所で、お菓子の袋がパンパンに膨らむのと同じ原理」と久手堅さん。内耳の“異変”が脳を経由し、全身に張り巡らされた自律神経に伝わると、さまざまな症状が出る。自律神経には、内臓や血液循環、呼吸などの機能を、自動的に調節する機能があるからだ。

 気象と体調の関係に詳しい日本気象協会の気象予報士、小越(おこし)久美さん(40)によると、日本の上空は年間百回ほど低気圧が通るが、梅雨の間は頻度が二日に一回にも。健康情報を発信する「ウーマンウェルネス研究会」(事務局・東京)が今年三月、二十〜五十代の男女約六百人に行った調査では、梅雨の時期に不調を感じると答えた人は約六割に上った。多かったのはだるさ、次いで肩凝りだった。

● 体のゆがみも影響

 気圧の変化で自律神経が大きく乱れやすいのはどんな人か。久手堅さんは、骨格のゆがみが影響するとみる。久手堅さんが患者の首と腰のエックス線検査をしたところ、内部を自律神経が通る、本来はS字に近い背骨のカーブが変形していたり片方の肩だけが下がっていたりといった人が多かった。ゆがみの一因は「スマートフォンの使いすぎ。首が前に出てしまう」。冒頭の女性もスマホを一日五時間使っていた。ゆがみは、体のどこかに負担がかかっている証拠だ。久手堅さんは「普段からストレッチをするなどゆがみを防ぐことが大事」と訴える。

● 首元や肩温め 明るい服装で

 梅雨時に訴えが急増する肩凝り。久手堅さんが勧めるのは、タオルを使った首ストレッチだ。気持ち良さを感じる程度の力加減で行うのがこつ。一日何回やってもいい。デスクワークが続いた時は、一時間に一〜二分行うと効果的という。耳ストレッチは、やると血流が良くなり、肩凝りも緩む。冷えも凝りにつながるため、蒸しタオルや温熱シート、ストールで肩の周りや首元を温めるのもいい。

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 自律神経には、覚醒時に働く交感神経と休息時に働く副交感神経があり、その切り替えがうまくいかないと不調を感じる。天気が悪い日は副交感神経が優位になりやすく、だるさの原因に。小越さんは気象予報士らしく、天気に合わせた生活を呼び掛ける。「悪天候の時は赤やオレンジなど、見ると交感神経が働きやすくなる暖色系の服装や明るめのメークを心掛けて」

 

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