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医療

国際福祉健康産業展 ウェルフェア2019 生活助ける工夫満載

30日〜6月1日、ポートメッセなごや

 介護や福祉関連用品の見本市「第22回国際福祉健康産業展ウェルフェア2019」(名古屋国際見本市委員会主催、中日新聞社など共催)が30日〜6月1日の3日間、名古屋市港区のポートメッセなごやで開かれる。全国の91社・団体が出展。高齢者や障害者の生活を助ける最新機器が並ぶ。入場無料。(細川暁子、花井康子)

【介護用電動リフト】移動の負担軽く、安全に

車いすからベッドなどへの移動を助ける介護用リフト「つるべー」。左は開発した「モリトー」の森島勝美社長=いずれも愛知県一宮市の同社で

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 介護が必要なお年寄りをベッドから車いす、車いすから風呂場などへと移動させるのは、介護者にとって重労働。腰を痛める原因になりかねない。そこで役立つのが電動の介護用リフトだ。リフトメーカーのモリトー(愛知県一宮市)は、要介護者をシートでくるんでハンモックのように上からつり、移動させるリフトを開発、販売している。その名も「つるべー」だ。

 使い方はシンプル。つるべーには三六〇度回転するアームが備えられており、その先端には四つのフックが付いている。車椅子に乗った人やベッドで寝ている人の下に専用のシートを敷いてくるんだら、シートに付いている輪をアーム先端のフックに引っ掛けて、リモコンのスイッチを入れるだけ。上下の移動はリモコンを使って電動で、左右は介護者が手で動かす。

 

足腰リハビリ 転倒の不安なし

足腰が弱ったお年寄りが歩く練習に使うリハビリ用のリフト

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 リフトはベッドに設置して使うタイプが基本で、体重百キロまでの人なら使用可能。記者も乗ってみたが、安定感があり、怖さはなかった。お尻の部分があいているシートもあり、簡易トイレなどに座らせれば排せつを助けることもできる。

 他にも風呂場に設置できるタイプや、ホンダと共同開発した車内に取り付けられるタイプも。価格はタイプによって異なるが五十万円前後。介護保険制度を使ってレンタルもでき、一割負担の場合、月額二千〜三千五百円程度。発売からの二十五年間で、購入、レンタルを含めて一万人が利用した。同社では「まずは使い心地を知ってほしい」と、全国の希望者に一週間無料での貸し出しも行っている。

 ウェルフェアでは、足腰が弱ったお年寄りのリハビリのためにと、四月に発売したばかりのリフトも展示する。腰や足を、ベルト状の「ハーネス」で固定。ハーネスをつることで、お年寄りは転ぶことなく、まっすぐ立ったり、歩いたりができる仕組みだ。寝たきりにさせないためには、こうした訓練を促すことが不可欠。今後、介護施設などへの普及を目指す。

 

 森島勝美社長(72)によると、要介護者本人がリフトに乗るのを嫌がる例も多いという。お年寄りが落ちたり転んだりすることを恐れる介護者もいる。「会場では実際に使ってもらえるので、ぜひ試してみて。リフトを使い、生活の幅を広げてほしい」と話している。

【見守りカメラ】スマホで簡単 安否確認

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 福祉IT機器製造会社iSEED(アイシード・静岡県沼津市)は、離れた場所の家族らのスマートフォンに、お年寄りがいる部屋の映像を届ける見守りカメラ「パルモケア」を開発した。個人宅や介護施設で使えるという。福祉用具の普及に力を入れるNPO法人福祉生活支援ネット(名古屋市)と共同で出展する。

 仕組みはこうだ。お年寄りが手元に置いたコールボタンを押したり、ベッドから出て専用のマットを踏んで外へ出ようとしたりすると、室内に設置されたカメラが起動。無線を通じ、離れた場所にいる家族や介護者のスマホに通知が届き、部屋の様子がスマホ画面に映し出される。スマホを使って呼び掛ければ、会話もできる。複雑な操作がいらないため、お年寄りも簡単に使えると好評だ。

 介護施設で使う場合は、複数の職員のスマホに、同時に呼び出しの通知が届くように設定ができる。近くにいる人が、すぐに駆けつけられて安心だ。心拍や呼吸の状態を把握するセンサーと組み合わせて使えば、より安否確認に役立つ。

 個人で購入する場合は、五万円程度。介護保険制度を使ってレンタルもでき、一割負担なら月五百円ほどだ。

【ボードゲーム】将来に備えて疑似体験

 親に介護が必要になったら? 企業研修などを手掛ける「and family」(東京)が昨年開発したのは、介護に直面した時の流れを学べるボードゲーム「けあとの遭遇」だ。

ボードゲーム「けあとの遭遇」

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 ゲームは、介護を経験した五十世帯に行った聞き取り調査の結果を基に作成。「急にバタバタして戸惑った」「親とじっくり話し合う機会がなかった」などの声を参考に、細かくシミュレーションができるようにした。これまで二十八回にわたって開いた体験会には、介護施設や一般企業で働く人ら十〜六十代の延べ約二百三十人が参加した。

 ゲームはすごろく式。一チーム三、四人でプレーする。サイコロを振って、出た目の数だけ進んだら、カードを引く。カードには、「認知症っぽい」「けがをした」といった親の病気や仕事上のトラブル、旅行や結婚式など私生活に関わる出来事が書かれており、手持ちの資金や介護サービスなどを駆使して解決していく。ゴールはなく、ゲームの時間を区切ったり、サイコロを振る回数を決めたりして行う。ゲーム上で、介護と自分の人生のバランスをどう取るかについて考えられるのが特徴だ。

ボードゲームで介護の流れを学ぶ体験会の参加者たち=東京都内で

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 五月中旬に東京都内であった体験会には、六人が参加。この時は、約五十分をかけてゲームをした。体験後は「思ったよりも仕事を優先させてしまった」「いろいろなことをお金で解決しようとする自分の性格が分かった」などの声が上がった。社長の佐々木将人さん(38)は「『介護はまだ先』と考えがちな若い人にも体験してほしい」と話す。

 

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