トップ > 特集・連載 > 医療 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

医療

【元記者の心身カルテ5】「五月病」は適応障害

写真

 令和時代が始まった。元号が改まっても、季節の移ろいに変わりはない。薫風の下、「五月病」を患う人もまた同じ。

 大学生や新入社員によく見られる「五月病」。年度初めに緊張のひと月を過ごした後、大型連休で自律神経が一気に緩み、連休明けに倦怠(けんたい)感や眠気などさまざまな症状が出る。不安や気分の落ち込みを訴える人も多い。正式な病名ではなく、医学的には適応障害に当たるが、うつ病や単なる疲労を指すときもある。疲労なら自然に治るが、適応障害やうつ病が疑われる場合は受診を考えてほしい。

 適応障害はストレスに直面して不安が生じたり、行動が落ち着かなくなったりして社会生活に支障が生じる状態。症状はうつ病と似ているが、大きく違うのは、要因となるストレスが消えれば、おおよそ半年以内に症状が治まることだ。一方、うつ病は脳内の神経伝達物質に不具合が生じ、ストレスがなくてもかかる。わずかな気候の変化や部屋の模様替えで患うことも。うつ病治療の基本が薬と休養なのに対し、適応障害ではストレスを取り除くことに努める。

 新聞記者時代、皇太子妃取材班で働いていた時は、雅子さまが結婚後「適応障害」と発表されるとは夢にも思わなかった。令和の皇后さまとしてだけでなく、同じ時代を生きる一人の女性として見守っていきたい。 (心療内科医 小出将則)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索