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腎結石手術 VRで安全に 事前にシミュレーション

岡田淳志准教授

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名市大 導入へ

 名古屋市立大大学院の岡田淳志(あつし)准教授(46)=腎・泌尿器科学、写真=らのチームは、VR(仮想現実)の技術を利用した腎結石の手術に乗り出す。腎臓は臓器の中でも血管が多く、手術には熟練の技が必要とされるが、VRを使って術前にシミュレーションを繰り返すことで安全性を高められるという。十八日に名古屋市内で開かれる日本泌尿器科学会総会で発表する。(花井康子)

 VRを用いるのは「経皮的腎砕石術(PNL)」と呼ばれる手術。背中から腎臓に向けて針を刺して穴を開け、内視鏡や器具を通して腎臓内の結石を砕く。血管や他の臓器を傷つけない針の通り道を探し、さらに内部がいくつもの部屋に分かれた腎臓のどこに結石があるのかを見極めて粉砕する必要がある。

腎結石のVR。針の通り道(黄線)を引くシミュレーションを繰り返し、安全性を高める。腎臓は紫の部分で、中の黒い点が結石=岡田淳志准教授提供

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 これまでは事前撮影した患部のコンピューター断層撮影(CT)を参考に、手術当日、超音波画像を見ながら針の通り道を決めていた。ただ、CTも超音波の画像も平面であるため、針がうまく通らずに何度も刺したり、太い血管を傷つけたりすることがあった。岡田准教授は数年前から安全性を高める方法を模索し、VR導入を思いついた。

 シミュレーションでは、造影剤を使ってクリアに撮影したCT画像を基に、腎臓や血管、結石などの立体画像を作成。これらのデータを専門業者に送ると、十五分ほどでVRが完成する。医師たちは、専用ゴーグルで出来上がったVRを見ながら手術をシミュレーションする。立体的に見えるだけでなく、手に持ったコントローラーを使えば、臓器を回転させ、あらゆる角度から観察することも可能。針を刺す深さや臓器までの距離を正確に測ることができる。

 岡田准教授によると、手術に二時間以上かかると敗血症などの合併症のリスクが高まるという。「VRでシミュレーションをすることで、短い時間で安全に手術を終えることができる」と話す。同大学病院で今後、臨床試験を実施。有用性を確認し、本格導入を目指す。

 

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