トップ > 特集・連載 > 医療 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

医療

【元記者の心身カルテ3】心の病気か心身症か

写真

 精神科と心療内科の大きな違いは、心の病気を診るのか、心身症を診るのかという点だ。だが実際の治療では重なる部分も多い。

 心の病気の代表がうつ病。真の原因は不明で、脳内の神経伝達物質の不調で生じるとされるが、反対に、うつ病の結果、不調が生じるとの説もある。抗うつ薬と話を聴くことで治るのは約半分。残りは心理・社会的要因を把握し治療環境を整えないと改善は難しい。

 治療方針を決める根拠となるのは、米国の学会などが作った診断基準。患者の症状が、うつ病の基準に合うかが医師の関心事になる。だが人の心はマニュアル通りにはいかない。熟練の精神科医は長年の経験でカバーしている。

 心身症は、体の病気の中で、発症や経過に心理・社会的要因が密接に関わる状態を指す。心身症という単独の病気はない。心理・社会的要因が関われば、ほとんどの病気が心身症となりうる。怒られるたびにせきの発作を起こす子どもは「気管支喘息(ぜんそく)(心身症)」と表す。

 難しいのは心の病気に伴う体の症状は除外されること。うつ病患者の大半は頭痛を訴えるため、心身症の頭痛の診断には、うつ病の知識がいる。経験豊かな心療内科医は、体に症状の出る精神疾患にも詳しい。「うつ病では」と心配な時はどちらの科にかかっても問題は生じない。 (心療内科医 小出将即)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索