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【元記者の心身カルテ2】心と体、分けずに診察

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 新聞記者時代、過労からうつ状態となり、自分の心を見つめ直そうと医者に転身した。当初は精神科を志したが、医学部時代の研修先、心療内科を持つ名古屋市の産婦人科の病院で微妙に修正された。心療内科のある産婦人科は全国でも珍しい。当時部長だった竹内聡先生から、心と身体の関係を研究する心身医学の要を教わった。

 西洋医学は身体を機械の一種とみなし、疾患(故障)の原因と治療の方法を探ってきた。一方、米国の精神分析学派は、ヒステリーで出るけいれんなど身体症状と精神の関係を追究した。この研究が進み、ぜんそくや胃潰瘍など内科系疾患の発症に、心理的な要因が関与する事実が明らかになった。身体の面だけでなく、心理や社会、環境の面も含めて全人的にみていこうとするのが心身医学だ。

 この考えに基づいて治療をするのが心療内科。共感して心療内科の道へ進んだが、現実とのギャップは大きかった。精神科からは心の奥底をもっとのぞくべきだと指摘された。それ以外の身体科からは、心の問題は任せたと丸投げされることもあった。紹介状に「診療内科」と書かれたことも。

 獣なのか鳥なのか、どっちつかずの態度を取ったイソップ寓話(ぐうわ)のコウモリのようだ。だが、「境界に立つ者」だからこそできることがあると信じる。精神科との違いは次回。 (心療内科医 小出将則)

 

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