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日本人向けがん予防法 国立研究センターがまとめ公開

 一九八一年から日本人の死因一位のがん。年間四十万人近くが亡くなっているが、高齢化で患者はますます増えると考えられる。そんな中で重視されるのが、がん予防。国立がん研究センター(東京)が、国内の疫学研究を基にまとめ、インターネット上などで紹介している「日本人のためのがん予防法」は、具体的で生活に取り入れやすいとして注目されている。 (小中寿美)

飲酒、運動量など具体的に

 がんは、感染をはじめ、さまざまな要因が絡まって発生するが、中でも大きいのは生活習慣とされる=図(上)。同センターが挙げるのは喫煙と飲酒、食生活、運動不足、体形の五つ。「がん予防法」ではそれぞれについて、禁煙、節酒、適正体重の維持などリスクを下げるのに効果的な健康習慣を提案している=図(下)。

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 同センターでは一九九〇年から、四十〜六十九歳の日本人の男女約十四万人を対象に、生活習慣とがんを含む病気の関連について追跡調査。その結果、五つの健康習慣を全て実践している人のがんリスクは、全くやっていない、もしくは一つしかやっていない人に比べ、男性で43%、女性で37%も低かった。

 生活習慣によるがんリスクは、世界保健機関(WHO)なども世界の論文を集めて評価している。しかし、基になる研究は欧米が中心で、食生活や体形の違う日本人には当てはまらないことも多い。そこで、二〇〇三年から国内で行われている疫学研究を統合、解析するなどを続けて定められたのが、この予防法だ。

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 特に大事なのは禁煙。吸う人は吸わない人よりリスクが一・五倍も高い。肺がんに加え、食道、膵臓(すいぞう)、胃、肝臓、ぼうこう、子宮頸(けい)がんなどにも関連する。受動喫煙でも肺がんの危険が上がる。

 適量を超えた飲酒は肝臓、食道、大腸がんのリスクを高めることも判明。飲む時はアルコール量に換算し一日約二十三グラム程度まで。日本酒なら一合、ビールは大瓶一本、ウイスキーはダブル一杯、ワインはボトル三分の一程度が目安だ。

 運動は、十八〜六十四歳は歩行か同等以上の強度の身体活動を毎日六十分。六十五歳以上なら、強度に関係なく毎日四十分行うのがお勧めだ。

 予防の研究を担う津金昌一郎・社会と健康研究センター長(63)は「これらの習慣の多くは脳卒中や心筋梗塞、糖尿病なども防ぐ」と説明。「健康寿命を延ばすことにつながる」と実践を呼び掛ける。

 

「焦げは食べない」削除 修正重ね最新情報

 がんについてはさまざまな情報が出回り、混乱も。そうした中、国立がん研究センターは、この予防法を「確実に効果が期待できる」として示している。研究を踏まえて修正を続け、ホームページに今あるのは二〇一七年改訂の第四版だ。

 紹介されているのは、科学的根拠に基づく信頼できる情報だけ。よく言われる「焦げた部分は避ける」は同センターが動物実験で導き出した予防法。一九七〇年代に定めた「がん予防の十二箇条」にはあった。人についてはリスクは疑われるが、根拠は不確かとして今回は盛り込まなかった。

 今後は二〇一六年に始まった全国がん登録の活用も見込む。医療機関に患者一人一人のデータ登録を義務付けたことで、がんの予防法などについて新たな情報が得られる可能性がある。

 

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