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“口内炎”続いたら受診を  

堀ちえみさん公表の舌がん 

 タレントの堀ちえみさん(52)が闘病中と公表した舌がん。堀さんは自身のブログで、最初は小さな口内炎と思っていたが、実は口腔(こうくう)がんの一種である「舌がん」だったと明かした。口内炎と思ったものが1カ月以上治らない場合はがんの可能性もあり、専門医を受診したい。 (砂本紅年)

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 国立がん研究センター中央病院(東京)頭頸部(とうけいぶ)外科長の吉本世一(せいいち)さん(54)によると、舌がんの発症率は十万人に二、三人で、希少がんと言えるが、口腔がんの中では患者が最も多い。堀さんの公表以後、「自分もがんでは」といった問い合わせが増えているという。

 口内炎と舌がんをどう見分ければいいのか=図参照。口内炎は通常一〜二週間以内で治り、一カ月以上続くことはまれ。これに対し、舌がんは月単位で少しずつ悪くなる。「一カ月以上症状が続くようなら変だと思った方がいい」という。

 また、口内炎の多くは痛みが出るが、早期(ステージ1、2)の舌がんは痛みがないこともある。小さくても深いところまで浸潤している場合は痛む可能性がある。生検で採った組織を顕微鏡で見てもはっきり分からないものもあり、「口内炎では」などと症状に気づいてから一〜二週間での診断は難しいケースも少なくない。

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 見た目で比較的分かるケースもある。舌の先端や中央部分にはめったにできず、舌の両脇にできやすい=右図参照。舌の表面が赤く、または白くなったり、舌にいぼ状のできものや表面が盛り上がったりする。いずれも、がんが表面にとどまり、組織の奥まで広がっていないことが多い。

 「一番怖いのは、潰瘍のように食い込んでいくタイプ」。表面上は分かりにくく、診断がつきにくい。目を閉じ、痛いところや気になるところを自分の指で触ってみて、何か硬いしこりのようなものに触れる時は要注意という。

 がんが四ミリほどの深さに浸潤すると転移しやすい。気になった場合は「耳鼻咽喉科や、歯科医師の領域である口腔外科の専門医を受診してほしい」と話す。

喫煙などの刺激原因

切除した舌 再建可能

 がんの多くは組織の粘膜が何らかの原因で刺激され、慢性炎症を起こすことから発症する。舌がんの場合、リスク要因は喫煙、飲酒、口腔内の不衛生のほか、欠けてとがった歯や歯並びが悪くて内側に倒れた歯が舌を刺激することなど。六十〜七十代の発症が多いが、二十代でも起こり得る。

 一方、手術でがんや、がんが転移したリンパ節をしっかり取り除き、放射線や抗がん剤で再発を予防すれば、複数のリンパ節に転移するなどした進行がんでも完治も期待できる。ステージ4と診断され、五年後に生存している確率は、治療実績の多い大阪国際がんセンター(大阪市)が二〇一四年に発表したデータで約60%という。

 舌は半分程度なら切除しても、別の部位の皮膚や皮下脂肪などを使った再建術によって、会話や食事など日常生活で大きな支障が出ることは少ない。半分以上切ると、のみ込みが難しく、聞き取りづらいこもった声になるなどの後遺症が出る。

 口腔がんは舌以外にも、ほおの裏の粘膜や上あご、歯茎などにもできる。歯槽膿漏(のうろう)や歯肉炎のほか、異物を埋め込むインプラントや合わない入れ歯による刺激もリスク要因になり得る。吉本さんは「定期的に歯科を受診し、口腔ケアを続けることが予防になる」と話している。

 

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