トップ > 特集・連載 > 医療 > 医人伝 > 記事

ここから本文

医人伝

びわじま整形外科(愛知県清須市)スポーツドクター井戸田仁さん(64) 選手を全力でサポート

中部ゆかりのアスリートを長年支えてきた井戸田さん

写真

 プロ野球の中日ドラゴンズにサッカーJ1の名古屋グランパス。愛知県内に拠点を置くさまざまなトップチームのチームドクターとして知られる。名古屋ウィメンズマラソンといった県内の競技大会でも医療部門の責任者を務めるなど、三十年以上にわたって地元ゆかりのアスリートの活躍を支えてきた。

 名古屋市西区出身。父は地元で開業する外科医だった。救急車で運ばれてくる人を必死に治療する父の姿が医師としての原点だ。滋賀医科大の学生時代、赤ちゃんから高齢者まであらゆる世代の全身を診られることに引かれ、整形外科医を志した。

 スポーツ医療に目覚めたきっかけは、三十六歳から八年間にわたって常勤した公益財団法人スポーツ医・科学研究所(愛知県阿久比町)での経験が大きい。医学や科学に基づく診断、診療を行う同研究所で、内視鏡を使う膝の関節鏡手術の研究などに励んだ。「選手を超特急で復帰させることを目指す医学の奥深さにのめり込んだ」

 幼いころから体を動かすのが好きで、学生時代はスキーやハンドボール、剣道などに打ち込んだ。そうした経験があるからこそ、選手も本音を口にする。「正直に言えば、しっかり休んで治したい」「無理をしないと来季の契約がなくなる」…。選手の思いを引き出し、リスクを説明しながら、最適な助言と治療を提案する。「引退など、一生がかかった決断を促さなきゃならない時もある。信頼関係が一番大事なんです」

 現在は、スポーツドクター愛知県連絡協議会長として、成長期の子どものスポーツ障害予防にも力を入れる。最近の指導者は、根性論がはびこっていた以前に比べ、けがのリスクをよく理解している。半面、子どもは昔と変わらず、「良い選手であればあるほど、つらくても我慢する傾向が強い」という。保護者や指導者には「大好きなスポーツを楽しめなくなる前に、少しでも早く異常に気付いてあげてほしい」と呼び掛ける。

 土、日曜や祝日は、チームドクターとして、さまざまな競技の大会会場を飛び回る。来年は東京五輪、二〇二六年には愛知にアジア大会がやってくる。「選手が全力を出せるよう支え、日本のレベル向上の力になりたい」。自らを「性根は飽きっぽい」と分析するが、スポーツ医療への情熱はあせない。 (植木創太)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索