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特集 防ごう!子宮頸がん

子宮頸がんワクチン 定期接種は今も継続

命守る選択 どう情報提供

 二〇一三年に積極的勧奨が中止された子宮頸(けい)がんワクチン。国はその後も「がんを予防する効果が期待される」として、このワクチンを公費負担の定期接種に残している。情報提供を控える自治体が大半の中、一部の自治体は「積極的には勧めない」という国と、「命を守るためには定期接種であることを周知すべきだ」という専門家らの板挟みになりながら、情報提供の在り方を模索している。(森若奈)=<1>面参照

富山県舟橋村が子宮頸がんワクチンの対象者に通知している文書(右)と、同封される厚労省のリーフレット

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 「行政側としても、通知に載せている情報量は少ないと感じる。伝える内容や量を見直すことを考えたい」。本紙の取材に対し、中止直後から「はがきで個別に通知をしている」と答えた愛知県岡崎市の担当者は、複雑な胸中を語った。

 市がはがきを送っているのは、中学一年の女子がいる家庭。「子宮頸がんの原因の50〜70%を占める二種類のウイルスの感染を防ぎます」と接種の有効性を示すとともに、どのような副反応があるかを説明し、因果関係は不明ながら重篤な副反応が報告されていることも記載した。結果的に文面の多くを、副反応の説明に割く結果になっている。

 通知を受けた保護者からは「この内容では判断がつかない」という意見も。そのためか、昨年度の市の接種率は0・4%にとどまる。担当者は「厚労省のリーフレットの内容も参考にしながら、どういう仕組みで効果があるのかといった情報も盛り込めれば。医師会と相談しつつ進めたい」。

 小児科医の勧めもあって、今年四月から通知に踏み切ったのは石川県輪島市。担当者は「定期接種の機会を逃すと、後から打ちたいと思っても費用が自己負担になる」と話す。子宮頸がんで子宮を摘出することになれば、妊娠の希望もかなわない。「ワクチンのことを知った上で打つ、打たないの判断をしてほしい」と理由を説明する。

 「ワクチンが定期接種の対象だと知らない人も多い」と指摘するのは、中止直後から通知をしている富山県舟橋村の担当者。「保護者の中には『あのワクチンは中止になったんですよね』と勘違いしている人もいる」と話す。

 信州大病院感染制御室の金井信一郎副室長(感染症学)は「ワクチンの善しあしを言う前に、定期接種そのものは継続されていると伝えるべきだ」と指摘。インターネットではワクチンを巡るさまざまな情報があふれる。その意味でも「市町村など公的な機関が客観的な情報を提供することは意味がある」と話している。

 

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