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進撃のドラッグストア

【ネット独自】スギ薬局、V・ドラッグ両社長に聞く 「ドラッグストア戦国時代」を生き抜く戦略

 十兆円産業を見据え、急成長を続けるドラッグストア業界。東海地方では、愛知県のスギ薬局、岐阜県のV・ドラッグの両雄が、他地域から攻め込んでくるチェーンと競っている。ますます過熱する「ドラッグストア戦国時代」を生き抜くための戦略を両社の経営者に尋ねた。

■スギ薬局 杉浦克典社長に聞く

今後の戦略を語るスギ薬局の杉浦克典社長

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 ―これから強みにする分野は。

 健康を維持したい、少々の体調不良は自分で治したいというのが時代の流れ。医療費の高騰や少子高齢化が背景にある。健康の維持や美容のサポート、デジタルと実店舗との連携を強化したい。調剤の部門は二けた増で伸びている。

 ―具体的には。

 乳酸菌入りチョコなど健康に良い食品をいかに提案し、手に取ってもらうか。普通に買い物をしてかごに入れているんだけど、気付けば健康の一助になっている。付加価値の高い商品を増やすという点で、食品の売り上げ構成比が上がっていくのではないか。

 ―他社は生鮮食品の安売りで集客している。

 スーパーと同じ土俵に乗ろうとは思っていない。肉や魚は鮮度管理が難しい。管理栄養士監修の弁当など、強みが生きる商品構成で幅広くやっていきたい。

 ―医師専用コミュニティーサイトの運営会社と昨年から提携し、デジタル分野を強化している。

 朝食や間食に何を食べたかの記録を残したり、歩いた歩数に応じてポイントが付いたりする、スマートフォン向けアプリを展開している。オンライン上で健康相談もできる。食事や運動は生きるのに必須なので、健康維持の領域でもっと生活に密着し、お客さまと接点を多く持ちたい。

 ―塩分やカロリー、タンパク質の制限が必要な人向けに、管理栄養士が監修した冷凍療養食を自宅に届けるサービスも始めた。

 塩分制限はともかく、タンパク量を自宅で料理して調整するのは大変。患者をサポートする人が減って老老介護や独居が増えているので、市場が伸びている。

 ―二十四時間営業の店を増やしている。

 地域の健康医療を支えるための機能の一つ。夜に症状が悪くなって駆け込んできたときに薬剤師がいる。二十店あたりに一店舗ほどを二十四時間営業にしてもいい。在宅医療に対応する訪問看護ステーションを併設することも可能でしょう。

 ―業界は企業の合併・買収(M&A)が盛んだ。

 寡占化が進むということは、数が減るだけじゃなく、質の向上を伴いながら量的に拡大していくということ。フィットネスジムなど、自社にない領域の企業と手を組んだり、データ連携を模索したりする。その一方で、同業や調剤の会社とご一緒させてもらえるならそれもいいと思っている。二〇二一年までに新規出店とM&Aで、八千億円の売り上げを達成したい。

 ―今後の出店計画は。

 ドラッグストアが中核となって地域の健康、医療を支える世界をつくりたい。競争はかなり激化しているが、そのためにはまだ店が足りない。これから優先すべきはまずは東名阪エリア。中部ももっと出店を強化していかないといけない。西は岡山、北は仙台に出してもいい。

■中部薬品(V・ドラッグ) 高巣基彦社長に聞く

スポーツクラブのアクトスを併設した「ココカラファイン日進香久山店」

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 ―中部地方で各社の競争が激化している。

 地盤の岐阜県では、人口六千人当たりにドラッグストアが一店あり、全国でもトップクラスの激戦区になっている。外からの競合が参入し、スギ薬局のように地元企業もある。スーパーのバローやスポーツクラブ「アクトス」などバローグループ内の企業と連携し、総菜や食品を強化するなど他社との違いを打ち出している。

 健康や美容分野の商品をそろえる「地域の健康ステーション」としての機能を強化し、総合スーパーをはじめ他の小売業にはない店づくりを進めている。調剤薬局の機能を備えた店舗の割合は、全体の二割ほどまで高めており、これからも強化したい。

 ―昨年一月に大手ココカラファイン(横浜市)と業務提携した。

 さまざまな角度からの協業の一つとして、ココカラファイン日進香久山店(愛知県日進市)にアクトスを併設し、昨年十二月にオープンした。病気を治す調剤も大事だが、予防も強化したい。岐阜市内には、アクトスを併設したV・ドラッグ岐大前店を開業した。両業態を連携させて相乗効果を生み、健康維持に貢献できる様式を模索したい。来期の二〇二〇年三月期もアクトス併設型の店舗を数店増やしたい。

 ―ココカラとの商品開発は。

 既にわれわれのプライベートブランド(PB)商品をココカラに提供しており、ココカラファインのPBをうちも販売している。両社の店舗数は合わせて千七百店ほど。規模を生かしていろいろなメーカーと商品を共同開発できる仕組みを検討している。

 ―今後の出店方針は。

 昨年十二月時点のV・ドラッグの店舗は中部と北陸、京都の一府八県で三百七十九店。当面は他県には出店せず、今のエリアを強化して認知度を高める。来期には店舗数が四百店を超えるだろう。

 名古屋の栄や錦地区の繁華街はまだ出店できていない空白地帯。オフィス街で働く人たちや訪日外国人観光客の需要を取り込めるため、早めに出店したい。

 ―コンビニエンスストアやインターネット通販との競争環境はどうか。

 コンビニよりもドラッグストアの方が商品の価格が安く、健康の分野の商品も豊富だ。店舗での赤ちゃん向けの相談会のほか、管理栄養士が地域の女性会や介護施設に出向く美容教室を開いている。健康や美容に貢献する地道な活動を続けたい。結果として、ネット通販にない強みとなる。

 

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