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進撃のドラッグストア

(2)急伸 何でもそろう勝ち組

国内初のドラッグストアとして、1976年にオープンしたクスリのイシダの店舗内=横浜市で

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 派手なDCブランドに身を包み、クリスマスイブには高級ホテルのレストランで彼女と乾杯−。バブル景気に踊った平成の初めまで、「小売りの王様」は、そんな消費動向に支えられた百貨店だった。業界の総売上高は一九九一年、九兆七千億円とピークを付けた。

 バブルがはじけ、百貨店が玉座からするすると陥落していったのは、知られるとおり。代わって主役となったのが、「便利な店」の名称をそのままに、いつでも開いている身近さが受け入れられたコンビニエンスストアだ。

 市場規模は右肩上がりを続け、二〇一七年は約十一兆円。三十年で五倍以上成長したことになる。平成はコンビニの時代だった。

 ドラッグストアは、それと並ぶ「小売りの勝ち組」と呼ばれている。国内の一号店は七六年に横浜市磯子区にオープンした「クスリのイシダ」で、誕生はコンビニの数年後。米国の店づくりを手本にしている点で共通している。

 「何でも欲しがるマミちゃんは、いつでも良いもの探してる♪」。大手マツモトキヨシ(千葉県松戸市)が九六年、ドラッグストアのイメージを一新させたテレビCMのシリーズを流し始めた。

 医薬品や日用品に、美容や健康にまつわる商品まで、若い女性が求めるものが何でもそろっている。マミちゃん役のタレント山口もえさんが店舗を明るく駆け回る映像を通じ、全国のお茶の間に強烈に印象づけた。

 ドラッグストア各社でつくる日本チェーンドラッグストア協会が発足したのは九九年。統計は翌〇〇年から取り始め、当初の市場規模は二兆六千億円。その約十年前のコンビニ市場とほぼ同額にあたる。

 値段はちょっとお高いが便利なコンビニはもちろん、スーパーよりも安い…。医薬品や化粧品のもうけを元手に、日用品や食品を特売するドラッグストアは、長引くデフレ時代にマッチし、消費者の心をがっちりつかんだ。

 飲料、食品、いまでは弁当や総菜、魚や肉の生鮮品まで扱いを増やす一方で、薬剤師が処方する調剤薬局の役割を果たす。勢いが止まらないドラッグストアの市場規模はコンビニの後をぴたりと付けるように拡大し、一六年に百貨店を追い越した。協会が据える十兆円の達成目標は、当初の二五年から前倒しになる見通しだ。

 ドラッグストア協会の今西信幸事務総長は「医療費を削減させる国の考えからみて、予防、介護に関わるサービスと商品をそろえていけるのが最大の強み」とさらなる躍進に自信を見せる。

 「来店客数をみると、国内は既に飽和状態にある。店を出せば売れるという時代はとっくに終わった」。ファミリーマート(東京)の沢田貴司社長の言葉だ。成熟産業になりつつあるコンビニは、ファミマにセブン−イレブン、ローソンの三強を軸に再編が進む。

 さてコンビニを追走して発展し、順風満帆に見えるドラッグストア業界に死角はないのか。

 <小売業界のパイの取り合い> 日本チェーンストア協会によると、スーパーの市場規模はピークだった1997年の16兆8000億円に対し、2016年は13兆円。ユニーなどの総合スーパーは食品や衣類、日用品を1カ所で販売することを強みにしていたが、衣類ではユニクロなどの専門店に押されるように。日用品や食品の分野では、価格、品ぞろえともドラッグストアがライバルとして台頭し、客の奪い合いが過熱している。

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