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中日春秋(朝刊コラム)

中日春秋

 富山の立山連峰の壮観を皇太子の時代の昭和天皇は詠んでいる。<立山の空に聳(そび)ゆるををしさにならへとぞ思ふみよのすがたも>。歌は後に節が付けられて、主に戦前、富山の人々に愛唱されたという

▼戦後につくられ親しまれた「富山県民の歌」も<仰ぎ見る立山連峰/朝空に輝くところ/躍進の理想かざして…>と始まる。神々しく雄大にして、厳しさもたたえる山々の姿はこの土地の象徴であり、訪れた人に格別の印象を残してきた

▼しこ名に「山」の字がある力士の大関昇進はおよそ二十年ぶりのようだ。富山市出身の大関朝乃山が昨日誕生した。今、貴重に思える明るい話題である。地元もわいている

▼郷土から「山」の字をもらったしこ名だけでなく「人間山脈」の愛称も持つ。なにより、取り口に山を思わせる安定感がある。そびえるような一八八センチ、一七七キロの体格を利した、本格派にして重みのある四つ相撲は、無観客だった春場所も光った

▼「一生懸命努力します」。真っすぐな人柄を物語るような口上だ。本名は石橋広暉(ひろき)。朝乃山英樹で相撲を取るのは、富山商高の監督だった浦山英樹さんへの思いからという。優勝も大関昇進も見ずになくなっている

▼郷土を強く感じさせる力士だろう。富山湾のブリの絵柄の化粧まわしも贈られている。さらに仰ぎ見られる存在へ。もうひとつ上を狙える出世魚のようだ。

 

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