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中日春秋(朝刊コラム)

中日春秋

 世の中の人が好んで使う<流行語>には、<甚快(はなはだこころよか)らぬ響(ひびき)を伝うるもの>がある。永井荷風が大正期の随筆『十日の菊』で違和感を表明している。意外なのが親友の文人との会話で出てくるその流行語である。「発展」「共鳴」「節約」「裏切る」「宣伝」などだ

▼いずれも、現代の人々がおかしいとも思わず、多用する言葉である。荷風らは、どうも幕末期から増え、流行した和製漢語などに対して、妙な感じを覚えたらしい。多くの言葉には、新語、流行語の時代はあっただろう。重要でないもの、必要ないものが淘汰(とうた)され、生き残ったものが、違和感ない言葉として定着していくのかもしれない

▼今年の「新語・流行語大賞」が発表された。振り返れば、数年で淘汰の波に洗われ消えかけている新語、流行語がいくつもある。今年はどうだろうか

▼「タピる」こそよく分からないけれど、トップテンの中には、長く命脈を保ちそうな言葉が多い印象である

▼耳なじみが薄かった「計画運休」は、この夏を経て、災害時の緊張感を伴う言葉になった。「免許返納」「軽減税率」も社会の関心は大きい。これからも使い続けることになりそうだ

▼大賞は「ONE TEAM(ワンチーム)」である。ワンチームで、立ち向かうべき地球規模の課題の第一は気候変動問題だろうか。今後、ぜひ消えずに生き残ってほしい言葉と精神である。

 

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