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中日春秋(朝刊コラム)

中日春秋

 子どもたちのためにと求められて、朝永振一郎博士は色紙にこう書いている。<ふしぎだと思うこと/これが科学の芽です/よく観察してたしかめ/そして考えること/これが科学の茎です/そうして最後になぞがとける/これが科学の花です>

▼心に浮かぶ不思議を大切に育てること。損得、利害を離れた科学の本質や喜びを表しているだろう。博士のノーベル賞に至る研究人生にも重なっていようか

▼「進化論」のダーウィンも論争し百年以上謎とされてきた生物学の不思議であるらしい。「なぜシマウマには白黒のしま模様があるのか」。その難問に対して、有力な答えとなりそうな研究成果が先日、発表され、報じられた

▼世界の動物園などで、多くの幼い心を捉えてきた不思議の一つでもある。子どもの素朴な疑問に一流科学者らが答えて話題になった『世界一ときめく質問、宇宙一やさしい答え』(河出書房新社)にも、採用されている

▼成果によると、アブなど血を吸う虫がしまで目をくらまされて、体にうまくとまれなくなるそうだ。肉食獣を欺くため、体温を下げる効果があるなどの説に対し、虫よけ説が有力になる。長年この問題に取り組む英国人らがものにした

▼われわれの生活に恩恵のある研究ではないだろうが、目を輝かせて聞く子もいよう。新たな不思議の芽を育てる美しい花のような成果にも思える。

 

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