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社説

COP25 日本政府の姿勢を示せ

 国連気候変動枠組み条約第二十五回締約国会議(COP25)がマドリードで始まった。開催国は政治の都合で二転した。それでも結局開催されたのは、私たちにとって、それほど深刻な課題だからだ。

 来年、いや来月からスタートする温暖化対策の新たな国際ルールのパリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命前の二度未満、可能なら一・五度以内に抑えるのが目標だ。さもないと、異常気象は破局的になるという。

 その目標を達成するには、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を、正味ゼロにする必要がある。これが「科学の要請」だ。

 パリ協定は、温暖化により激化する異常気象を背景に、すべての国が何らかの削減義務を負う「全員参加」を最優先とした。

 そのため、先進国だけに削減数値を振り分けた旧ルールの京都議定書とは違い、参加各国が自主的な削減目標を国連に提出し、それぞれに努力するという、ゆるいやり方にして、途上国も仲間に入りやすくした。

 その代わり、二〇年以降五年ごとに国別目標を見直して、引き上げるという「進化」の仕掛けも埋め込んだ。

 各国は協定の発効を前提に、「国別目標草案」を策定し、国連に提出済みだ。しかし、それらがすべて実現できても、気温上昇は今世紀末に三度以上になると試算されている。

 パリ協定の締約国は来年、草案より高い「国別目標」を提出するよう求められている。

 九月の国連「気候行動サミット」では、七十カ国が現状より目標を引き上げるなどと表明したが、日本はまだしていない。

 国連は、温室効果ガスの大量排出源である石炭火力発電を中止するよう求めている。日本では二十二基の建設、あるいは建設計画が進行中。「温暖化対策に逆行している」との批判を浴びている。

 協定に基づく長期削減戦略として「五〇年までに80%の削減に取り組む」と言いながら、裏付けと具体策に欠ける日本に、サミットでも批判の目が注がれた。「美しい演説より具体的な計画を」と、安倍晋三首相が国連側に演説を断られたと報じられたのが事実とすれば、そのためだろう。

 パリ協定スタート直前のCOP25で、削減目標の引き上げとその具体策を示し、国際社会の信頼を取り戻せるかどうか。

 国としての姿勢が強く問われる会議である。

 

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