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社説

首相・財務相問責 信頼に足る内閣なのか

 首相問責決議案や財務相の問責、不信任両決議案が否決された。安倍内閣は「信任」された形にはなったが、公文書改ざんや年金問題への対応を見ると、とても有権者の信頼に足るとは言い難い。

 二十六日の通常国会会期末を前に、参院できのう安倍晋三首相に対する問責決議案が否決された。野党側が衆院に内閣不信任決議案を提出しても、与党の反対多数で否決される見通しだ。

 先週には麻生太郎財務相に対する不信任、問責両決議案が衆参両院でそれぞれ否決された。

 不信任、問責両決議案の提出は野党による会期末の恒例だが、首相の政権運営や閣僚の言動を振り返ると、その意味は軽くない。

 特に、麻生氏に対してである。

 かつて首相も務めた麻生氏は、自民党が政権復帰した二〇一二年十二月以降、副総理兼財務相を務める安倍内閣の要だ。

 しかし、この間の言動は適任なのか疑問符を付けざるを得ない。

 例えば、公平・公正であるべき行政が、首相らへの忖度(そんたく)で歪(ゆが)められたか否かが問われた森友学園への国有地売却問題である。八億円の値引きという核心部分を解明しようとはせず、当時の理財局長らを処分して幕引きを図った。

 虚偽の国会答弁をするなど政権擁護に徹したこの局長を「適材適所」と擁護し、その後国税庁長官に昇進させたのも麻生氏だ。

 財務省はこの問題を巡り、決裁文書の改ざんに手を染めたが、麻生氏は政治責任をとることなく、大臣の地位にとどまった。

 前財務事務次官による女性記者に対するセクハラ問題で、麻生氏は「セクハラ罪という罪はない」などと開き直った。

 地元福岡県での国政報告会では少子高齢化に関し「子どもを産まなかった方が問題なんだから」などと言い放ち、その後、撤回・陳謝に追い込まれてもいる。

 極め付きは老後の生活費が二千万円不足するとした金融庁審議会報告書だ。有識者に諮問しておきながら、内容が気に入らないから受け取らない暴挙が許されるのか。麻生氏をかばい、続投させている首相の任命責任も重い。

 与党多数の国会情勢では、不信任、問責両決議案が可決されることはないのだろう。

 しかし、国会は国権の最高機関だ。たとえ与党議員でも、信頼に足る内閣なのか、国民の側に立って考えるべきではないか。全国民の代表たる自覚があるのか、議員一人一人にあらためて問いたい。

 

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