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リチウムイオン電池、適切に捨てて 収集車で発火、名古屋市が再現動画

(1)〜(4)は、名古屋市がユーチューブで公開しているリチウムイオン電池の発火事故の再現動画

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 吉野彰・名城大教授のノーベル化学賞決定で注目を集めるリチウムイオン電池だが、誤った方法で廃棄されると火災につながるとして、名古屋市は、ごみ収集車で相次ぐ発火事故の「再現動画」を公開している。清掃作業員らに危険が及ぶ可能性もあるため、利用者に適切な廃棄を呼び掛けている。

 収集車の後部で、圧縮用の回転板が下がり始めた。ごみの間に挟まっていた使用済みスマートフォンが押しつぶされた瞬間、「プシュー」と大きな音を立てて発火し、大量の煙が噴き出した。名古屋市が公式ユーチューブサイト「まるはっちゅ〜ぶ」で公開している動画の一場面だ。

 市によると、スマホやノートパソコンなどに搭載されるリチウムイオン電池は他の電池より電圧や容量が大きく、衝撃が加わると燃えやすい性質がある。廃棄方法に法的規制はなく、各自治体は業界団体がスーパーなどに設置する回収ボックスの利用を呼び掛けているが、周知は行き届いていない。不燃ごみとして収集され、圧縮作業を伴う収集車や破砕工場で発火事故が起きる例が多いという。

 市は収集車での発火事故が目立ち始めた二〇一三年度から件数を集計しており、昨年度までの五年間に十二件の発生を把握。啓発に生かそうと、今年二月に再現動画を撮影。リチウムイオン電池が世間の注目を集めた十月のノーベル化学賞発表の一週間後にサイトで公開した。

 市環境局の担当者は「市内の大学で教壇に立つ吉野先生の受賞は喜ばしいが、ごみ収集車や作業員が危険にさらされている現状も知ってほしくて公開した。便利な製品だからこそ、利用者には適切な廃棄方法を守ってもらいたい」と話す。

 工業製品の事故を調査している独立行政法人の製品評価技術基盤機構(東京)によると、リチウムイオン電池製品の使用中の発火事故は一七年度までの五年間に全国で五百八十二件起きた。一方で、廃棄後の事故件数の統計はこれまでなかったといい、機構もノーベル化学賞発表後に名古屋市の収集車での事故データをホームページで公開し、注意を呼び掛けている。

 (谷悠己)

 

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