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異色の操り人形師たち、巨大骸骨と踊る 犬山のジャイアントステップス

「骨五郎」を操って子どもにあいさつするA2Cさん=名古屋市千種区の「今池まつり」で

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 大人の背丈の二倍の骸骨の人形と一心同体で踊りまくる−。犬山市が拠点の「ジャイアントステップス」は、異色の操り人形師グループだ。ペットボトルや発泡スチロールでできた巨大人形を背負い、音楽フェスティバルや街の祭りを盛り上げてきた。「仕事ではなく、楽しいからやっている」。創設者で全ての人形を作ったギリヤッコ・Aさん=犬山市=は飾らない口ぶりだ。

ギリヤッコさん(右から2人目)。亡き相棒の烏天狗あきさんをかたどったまといと祭りに出演する=豊田市の「橋の下大盆踊り大会」で

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 人形は六体あり、ギリヤッコさんと昨年七十五歳で亡くなった相棒の烏天狗(からすてんぐ)あきさんが作った。

 一体の材料は四十本ほどのペットボトルと、業務用の発泡スチロールの箱が五箱ほど。二〇一一年に第一号を試行錯誤して完成させ、ほぼ年に一体ずつ作り増してきた。

 なぜ骸骨かといえば、穴が開いた発泡スチロールがそう見えたから。「楽しく明るい骸骨のイメージが自分の内から湧いてきた。廃材が命を持って動きだすって、面白いでしょ」とギリヤッコさん。「人形を初めて人前に出す時は緊張した。なんだ、ごみじゃねえか、と言われそうで」

 一二年に豊田市で開かれた第一回橋の下世界音楽祭に出演すると、共感する仲間が一気に増えた。DJのA2C(あつし)さん(41)=名古屋市天白区=は「ごみを広げて何かしている困った二人組だなと思って見ていたら、三十分ほどで大きな骨の人形に組み立てたので驚いて声を掛けた」。現在の実動メンバーは演劇経験者ら七人ほど。九州から北海道まで各地の音楽イベントで芸を披露してきた。

鹿児島県の「ジャイアントストンプス」の赤鬼と寺原さん(右)=豊田市の「橋の下大盆踊り大会」で

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 九州には影響を受けた後輩グループ「ジャイアントストンプス」も誕生した。メンバーで鹿児島県姶良市のミュージシャン寺原仁太(てらばるじんた)さん(38)は「お金があれば何だってすごいものが作れるけど、ごみから作るところが逆にすごい。インターネットで知って連絡すると、あきさんが丁寧に作り方を教えてくれた。ストンプスの人形の制作費は一体五千円以下ですが、たくさんのお金をかけたゆるキャラと並んだって引けは取らない。人はこっちに寄ってきます」と話す。

 ギリヤッコさんに「野望」はない。「小さいころから自分の心を落ち着かせるために絵を描いたり、ものを作ったりしてきた」。ほかに竜や鳥も作った。「人形を見た人が、自分も何か作れそうだな、と思ってくれたらうれしい。おかしな人形を見て何だかちょっと元気になったと感じてくれたら、それでいい」とほほ笑む。

 (三田村泰和)

数人が棒で下から支えて空中を泳がせる「龍之介」=豊田市の「矢作川盆踊り大会」で

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