トップ > 愛知 > 9月29日の記事一覧 > 記事

ここから本文

愛知

大府の図書館、貸出冊数「全国一」の裏側 テーマ別の棚配置工夫

図書館の内部。正面奥がテーマ別の書籍を集めた棚=大府市おおぶ文化交流の杜図書館で

写真

 七月に開館五周年を迎えた大府市おおぶ文化交流の杜図書館。二〇一七年度の図書貸出冊数は百四十六万七千三百四冊と、全国の同規模自治体(人口六万〜十万人)の中で貸出冊数が三年連続全国一となっている。「全国一」の仕掛けや館の取り組みを調べてみた。

 広さは二千七百平方メートル。館内を見渡すと、目立って広いとは感じないが、棚のまとめ方に一工夫あった。正面に並ぶのが、テーマごとに分かれた棚。十代向けの書籍を集めた「ティーンズ」のほか、漫画、子育て支援、ビジネス、パソコンといった棚がある。市の掲げる「健康都市」というテーマの棚も設けている。

 このテーマ別の棚を中心に、向かって右側に絵本など子ども向けの書籍のコーナーがあり、左側に専門書、さらに奥に進むと小説など文学系の書籍を集めたコーナーが並ぶ。小倉明美チーフ(57)は「子ども向けの書籍と、読み物の棚の間に距離を空けることで、静かな環境でじっくり本を読みたい人への配慮にもつながっている」と話す。

オートライブ(自動閉架書庫)の内部。高さ約4.5メートルの棚に本の入ったコンテナが積まれている=大府市おおぶ文化交流の杜図書館で

写真

 図書館の「裏側」と言えば、天井近くまで伸びる本棚に、古い書籍が並んだ光景を思い浮かべる人も多いはず。書庫を公開している図書館も多いが、ここでは立ち入り禁止。書庫全体が、本の入ったコンテナを取り出し、並べる「オートライブ」(自動閉架書庫)という設備になっているからだ。予約や問い合わせがあれば、機械が五分以内に本の入ったコンテナを運び出し、カウンターに届ける。ただし、一度に一つのコンテナしか取り出せないため、五冊取り出す場合には、二十五分程度かかる。

 本棚を眺めながら本を手に取るのは楽しいので、書庫に入れないのはちょっと残念でもある。館としては書庫の整理が自動化されているおかげで、書籍の紛失などの心配もなく、並び替えの手間も省けるという。

予約図書のセルフ貸し出しコーナー=大府市おおぶ文化交流の杜図書館で

写真

 忘れてはならないのが、東海三県で初めてという予約図書のセルフ貸し出しコーナー。館のホームページやカウンターで予約すれば、最短一日で、お目当ての本が専用の「予約棚」に届き、その場にある貸出機で借りられる。使い勝手がよいのか、取材した日も予約棚には本がびっしり詰まっていた。

 一方でまだまだ利用者に広く知られていないサービスが、館内パソコンから利用できるデータベース(DB)。古い新聞記事や雑誌記事、法律なども検索できるが、入館者数に比べてアクセス数は少ないという。小倉さんは「図書館には約四十万冊の蔵書があるが、DBも充実している。単に本を読む、映像を見る、というだけでなく、インターネットを使った調べ物にも活用してほしい」と話す。

 大府市民の筆者も、日常的に図書館を利用しているが、これまでは漠然と本棚を眺めて書籍を借りては返す、の繰り返し。まったく使いこなせていなかったようだ。せっかく無料なんだから、とことん利用しなくちゃもったいない。ちなみに図書館の貸し出しカードは、大府市民以外も作成できる。

 (宮崎正嗣)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索