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和菓子で味わう民吉伝説、3店舗が考案 瀬戸・せともの祭

 磁祖・加藤民吉の遺徳をしのんで瀬戸市中心街などで十四、十五日に開かれる産業祭「せともの祭」に合わせて、市内の和菓子店三店舗が、民吉にちなんだ和菓子を開発した。当日は先着十六人を対象に各日四回、瀬戸蔵で開かれる六古窯の茶器を使ったお茶の入れ方セミナーで提供するほか、瀬戸観光案内所で販売。それぞれの菓子の特徴を紹介する。

吾妻軒本店「瀬戸の藍」

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◆吾妻軒本店「瀬戸の藍」

 新道町の「御菓子司 吾妻軒本店」は、染め付けの器をイメージした「瀬戸の藍(あお)」を作った。

 「瀬戸の藍」を開発した四代目店主の安藤礼一郎さん(50)は今回、磁祖・加藤民吉にちなむことから、磁器とともに発展した染め付けに着目した。黄みがかった白い練り切りで器をかたどり、染め付けの柄にあたる部分は焼き印で表現。水色の寒天で菓子全体を包みこんで磁器の風合いを出し、食べれば練り切りの優しい甘さと寒天の食感を楽しめる。

 一九一九年創業で、今年で百周年を迎える同店は、季節に合わせた花鳥風月をモチーフにした生菓子などを主に手掛ける。

 安藤さんは「焼き印も多くの種類があるので、当日はいろいろな柄のを作りたいと思っている。伝統的な製法の生菓子なので、古い時代に思いをはせてもらえれば」と目を細めた。税別二百円。

三好屋老泉「懐き柏向付」

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◆三好屋老泉「懐き柏向付」

 大坂町の「和菓子処三好屋老泉(おいずみ)」は、加藤民吉が九州で制作したとされる器をモチーフにした上生菓子「懐(だ)き柏向付(がしわむこうづけ)」を作った。

 民吉の作品とされる懐き柏向付は緑釉(りょくゆう)が施され、二枚の葉を抱き合わせたような形になっている。今回の上生菓子も、こしあんを緑色の練り切りで包み、木型に押し当てて葉の形にした後にへらで縁のぎざぎざ模様や葉脈を刻んだ。仕上げには焼き物の質感を出すために縁をバーナーであぶる工夫も凝らす。

 手掛けた三代目の老泉翔太さん(28)は「精巧な表現ができる練り切りは、お茶に合い、口溶けもいい」という。「懐き柏向付はまだまだ浸透していないものだと思う。和菓子職人として、和菓子を通して歴史や物語も提供したい。食べてもらうことで『せともの』の文化を知ってもらうきっかけになれば」と話す。税込み二百円。

◆宝屋清鶴「瀬戸窯」

 栗きんとんで有名な東本町の宝屋清鶴は、黄色と緑色の練り切りで形作った茶器にクリを入れた和菓子「瀬戸窯」を創作した。

宝屋清鶴「瀬戸窯」

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 同店の栗きんとんは岐阜県中津川市の農園から仕入れたこだわりのクリを使い、一九七三年に全国菓子大博覧会で大臣賞を受賞した。今回の瀬戸窯では、黄瀬戸と織部をイメージした二色の練り切りを使うことで、瀬戸らしさを演出する。

 「『民吉さん』ということで、つぼと茶器で迷った」と語る二代目店主の酒井英臣さん(53)。同店では茶会を始め、市内の高校の茶道部にも商品を納品していることから、「和菓子に欠かせない」(酒井さん)という茶器に決めた。

 酒井さんは「秋の味覚とともに瀬戸のおいしいお菓子を食べてもらって、瀬戸の歴史にも思いをはせてもらえたら」と期待を込める。税込み百八十円。

 (吉本章紀)

 【土平編集委員のコメント】今日紹介したのは、愛知県瀬戸市などを対象にしたなごや東版の記事です。加藤民吉は江戸時代の陶工で、瀬戸に磁器をもたらしたことから「磁祖」と呼ばれます。その民吉の遺徳をしのんで開かれるのが「せともの祭」。なごや東版は連日、祭関連の記事を掲載し、盛り上げに一役買っています。開発された和菓子は、写真を見ただけでも、それぞれの店の思い入れが伝わってくるおいしそうな物ばかり。せともの祭を訪れた方は、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

 

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