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豊田・配津を守る「巨大ビーバー」 「交通安全の守り神に」

交差点を行き交う車を見守るように立つビーバーの像=豊田市配津町で

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 豊田市南部の配津(はいづ)町の公園に、巨大なビーバー像が存在する。どこか愛嬌(あいきょう)のある顔を道路側に向けて、交差点を見守る。肩には「交通安全」のたすき。なぜこんな場所に、こんな像が立っているのか。謎をひもとくと、住民たちの地域を思う気持ちがあった。

 基礎部分を含め、高さ四メートルはあろうかという大きな像。足元には「設立 平成九年五月十一日」と記されている。設置された一九九七年に自治区長だった元会社員三浦義美さん(83)は「当時、配津町は何もない所だった」と振り返る。

 三浦さんによると、タクシーに乗って「配津町まで」と言っても、運転手さんに伝わらないばかりか、十キロ以上北の「貝津(かいづ)町」と間違われることもあった。自治区の役員たちは「町のランドマークが欲しい」と考えていたという。

 そんな折、町内の建設・解体業者から「解体現場で回収した巨大な像の処分に困っている」と話があった。三浦さんら役員がスクラップ置き場へ行き、目立つ像を前に「これしかない」と再利用を決めた。

 元は何のためのビーバーだったか分からないが、当時は町内で死亡事故を含む交通事故が頻発しており、自治区の評議員会で「交通安全の守り神にしよう」と話がまとまった。

 地元の企業や住民有志が資金を出し、この業者に像の基礎を作ってもらった。九七年の秋祭りでは神職を招き、住民への正式なお披露目を兼ねた安全祈願祭を執り行った。

 像を設置してから、自治区では毎月十、二十、三十日の「交通事故ゼロの日」を中心に、朝の通勤通学時間帯に役員が手分けして見守り活動を続ける。二〇〇三年には近くに伊勢湾岸道の豊田東インターもでき、付近の交通量は増えているというが、自治区によると、像の設置以降は町内で大きな事故は起きていない。

 公園の正しい名前は「配津町ちびっこ広場」だが、子どもたちは「ビーバー公園」と呼び、像は町のシンボルとして定着した。三浦さんは「子どもたちも親しみを持ってくれており、知らず知らずのうちに交通安全を意識してくれているのでは」と喜んでいる。

 (久野賢太郎)

 

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