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吉田城石垣に異変、豊橋市調査へ はみ出し、落石も

南多門跡近くの石垣。横から見ると、石がはみ出しているのが分かる=豊橋市今橋町の豊橋公園で

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 豊橋市の名城「吉田城」の石垣がピンチを迎えている。石垣の一部がはみだし、石同士の間には隙間が見られる。さらに、六月には落石が。いずれも樹木の根や雨が影響しているとみられ、市は危険箇所の把握に向けた調査に乗り出す。

 南多門跡近くの立派な石垣。行儀よく収まっているはずの表面から、大きな石が二十五センチほど飛び出している。NPO法人「吉田城復元築城をめざす会」の佐々木豊事務局長(69)は「最近ひどくなっていますね」。仲間内では二年ほど前からそのような話題が上るようになったという。

 市文化財センターによると、はみだしや隙間は石垣に生えている樹木の根に圧迫されたり、雨が石垣に染み込んで石やその間の土砂を押し出したりして発生したと考えられる。いつから始まったのか、全体で何カ所あるかは不明だ。

 六月には、石垣から長さ六十〜七十センチほどの石二つが抜け落ちているのを市民が発見。前日夜に降った大雨が石を押し流したとみられ、けが人はなかったが市は即日、その近辺を通行止めにした。

 現在は、石が抜け落ちた箇所に土のうを詰めて崩落を防いでいる。

石垣から落ちた大きな石。石垣の周囲を土のうで囲い保護している=豊橋市今橋町の豊橋公園で

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 石垣を管理する市公園緑地課などは、はみだしや隙間を不安視してはいたが、別の吉田城遺構の発掘調査も進めている中、なかなか手を付けられずにいた。今回の落石を機に問題箇所の調査をする方針に。有識者に見てもらいつつ、石垣の「カルテ」を作るなどして現状を調べたい考えだ。

 吉田城の石垣は城主池田輝政の時代に築かれたものが一部残るなど見どころも多い。佐原光一市長も「調査は丁寧にやらなければいけない。(吉田城は)『石垣を見てもらう城』ですからね」と述べる。

 市文化財センターの岩原剛学芸専門員は六月の落石について、雨が長引けば落石部分の上部も崩落した可能性もあるとして「人命第一という観点からも考えていかなければ」。今後は「石垣を含めた城本来の価値を明らかにし、その上でどのように扱っていくかを決めたい」と話している。

 (高橋雪花)

 【土平編集委員のコメント】 今日紹介したのは、愛知県豊橋市などを対象にした東三河版の記事です。城の石垣をしげしげと見たのは、名古屋城が初めてでした。「名古屋おもてなし武将隊」のメンバーが説明してくれたこともあり、巨大な石があったり、築造した大名の印が彫られていたりと、地味ながら面白いと感じたものでした。天守解体をめぐって、名古屋城では石垣への影響が議論になっていますが、吉田城も石垣がピンチです。戦国時代からの歴史がある「名城」とはいえ、けが人などが出ては最悪。安全に配慮しながら、価値を保ってもらいたいものです。

 

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