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料理囲み、認知症語る 東浦のカフェ、若年者も打ち解けやすく

当事者や介護者など、垣根を越えてテーブルを囲む参加者たち。笑顔がはじける=東浦町緒川で

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 認知症の当事者や家族、医療関係者がお酒や料理をつまみながら交流する認知症カフェ「ルピナスBAR(バー)」が、七月に東浦町で開かれた。認知症カフェはこれまで高齢者の参加が多かったが、若年性認知症の当事者にも居場所をつくろうと、あえて居酒屋形式で実施。県内初の試みで、関係者は「誰もが食事や酒を楽しみながら、ざっくばらんに打ち解け合える」と期待を寄せる。

 会場となった町内の常設サロンには、当事者や家族、医療関係者など約七十人が集まった。参加費(千円)と引き換えに飲食チケット(千百円)をもらい、一皿百〜三百円の料理や飲み物と交換する。認知機能の改善が期待される子持ちシシャモ、不安神経症やリラックスに効果があるとされる赤ワインを使った「鶏の赤ワイン煮込み」など、こだわりのメニューは二十種類以上にのぼる。

 ビール片手に話に花を咲かせる様子は、居酒屋そのもの。国立長寿医療研究センターの遠藤英俊長寿医療研修センター長(65)は「政府が『予防と共生』を基本理念に掲げた認知症基本法案の、まさに共生にあたる試み。ルピナスバーは、法律の最先端を走っている」と評価する。

 企画したのは、若年性認知症に対応した介護施設を運営する「ヒューマンアシスト」(同町石浜)の田中清人代表(46)。昨年末ごろ、遠藤さんとの間で「若年の人向けのカフェがないね」という話になったのがきっかけだ。「本来なら仕事帰りに一杯やっている世代。そういった楽しみの場にしたかった」。地元の認定NPO法人「絆」(同町緒川)に声をかけ、共催に至った。

 評判は上々だ。

 知多市の杉山久美子さん(57)は、十二年前にパーキンソン病を発症し、その後認知症を併発した夫の匡司さん(62)と参加した。「若年はこれからの人生も長い。これまでは家族会が心のよりどころだったけど、こうして介護者も一緒に楽しめる機会は、気持ちが晴れてうれしい」。当事者の山田真由美さん(59)も「ひきこもりがちな当事者でも『もう一回行ってみようかな』と思える場。もっと増えてほしい」と話す。

 ルピナスバーが好評だったため、「十一月下旬には第二弾として鍋パーティーも予定している」と田中さん。「この輪が東浦から県全体に広がっていけばうれしい。地域の方がもっと集まれる場にしていきたい」

 (高田みのり)

 

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