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経路検索、コミバスも対応 元名大院生が自治体向けマニュアル

作ったマニュアルを手にする矢神さん=尾張旭市役所で

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 グーグルマップの経路検索で、現状はデータがないために多くが表示されていないコミュニティバスなどの情報について、運営する各自治体が簡単にデータを作れるマニュアルを、三月まで名古屋大大学院修士課程に在籍していた矢神優さん(24)が作った。ITのノウハウがない自治体でも使え、全国的にも公共交通の利便性向上が期待されている。

 バスのルート、乗り換え案内に表示される情報は、決まった形式でデータ化が必要とされ、作成を外注しても、情報が変われば自治体の職員が書き換えなくてはならない。幅広いITの知識が求められ、多くの自治体では難しい実情がある。

 矢神さんは、名大と尾張旭市、デンソー(刈谷市)が連携し、行政データを二次利用可能な形で公開する「オープンデータ」を活用する取り組みに参加。市の「バス情報を乗り換え案内に反映したい。自治体職員でも分かるレベルの内容に」という要望に手を挙げた。職員から「データを作ることができない。グーグルへの情報提供法が分からない」などと挙がった課題を抽出し、約二年かけて一月に完成させた。

 マニュアルにしたのは「GTFS」というグーグルマップが採用するデータ形式の作成法。国が標準と定め、将来統一される見込みが高いという。ルートのデータを集める方法は、スマートフォンをバスに乗せるだけ。位置情報を記録するアプリを使い、手間の少ない方法を考えた。手順は全編通して、次にどのボタンを押すかといった段階まで細かく分割。グーグルとの契約方法などもまとめた。

 マニュアルは、一宮市も使ってデータ作成を進めていたり、県内の自治体が集まるオープンデータや公共交通の勉強会で配布されたりした。県外の自治体からも声を掛けられるなど、広がり始めている。

 公共交通のオープンデータに詳しい東京大・伊藤昌毅助教は「公共交通のオープンデータは交通を便利にする基礎資料になる。マニュアルは細かく手順が書かれていてITに詳しくない人でも使える」と話す。

 矢神さんは三月末で大学院を卒業し、県内の企業にシステムエンジニアとして就職。「多くの公共交通のデータがオープンになれば」と話し、所属する浦田真由講師の研究室がマニュアルを引き継いで、今後、インターネットでの公開を目指している。

 (菅谷仁志)

 

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