女子ラグビー「サクラセブンズ」候補・大竹風美子 父はナイジェリア出身「ダイバーシティーの価値、私だから発信できる」

2020年8月1日 11時16分

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大竹は外国人選手に負けないフィジカルの強さが魅力だ(2018年4月のワールドシリーズ北九州セブンズ米国戦で)

大竹は外国人選手に負けないフィジカルの強さが魅力だ(2018年4月のワールドシリーズ北九州セブンズ米国戦で)

  • 大竹は外国人選手に負けないフィジカルの強さが魅力だ(2018年4月のワールドシリーズ北九州セブンズ米国戦で)
  • 大竹のもうひとつの武器はこの明るさ。代表では「ポジティブ・リーダー」を拝命したことも=横浜市青葉区の日体大グラウンドで
 1年後に延期された東京五輪に向け、3日から合宿に入るラグビー7人制女子の日本代表「サクラセブンズ」。チームの東京五輪出場は決まっており、本番の12人の枠をめざして代表候補21人による代表争いが再開する。中でも、特別な思いで五輪を目指すのは、陸上競技から転向してわずか3年という日体大4年の大竹風美子(21)だ。(大友信彦)
 「私はラグビーを始めたのが遅いし、五輪の1年延期は、個人的には良かったと受け止めています」
 大竹は屈託なく笑った。陸上からラグビーに転向したのは高3の冬。その1年後には早くも代表デビューを飾ったが、競技歴はまだ3年。「けがをして練習できなかった時期もあったし、トレーニングを積んで、ラグビーのスキルを磨く時間が増えたのはよかった」。
 新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間は長かった。「自宅(東京都足立区)の周りには走れるような場所はなかった。でも、父がダンベルとエアロバイクを買ってくれたんです! 『こんなときに(お金を)惜しむことはない』と。感謝してます」
 その父、エディさんはナイジェリア出身だ。自粛期間中には、父の存在を強く感じる出来事が他にもあった。米国の黒人男性暴行死から世界的な広がりを見せた黒人差別反対デモ、そして混乱。大竹には人ごとではなかった。
 「子供のころは町でジロジロ見られたり嫌な思いもして、お父さんに『運動会に来ないで』と言ったこともありました。でも今はこの色を誇りを持っています。私のパフォーマンスも、父からもらったものですから」
 差別の歴史は幼少時から父母に聞き、本を読んだ。今もひどいことが起きているのは悲しい。でもそれが多くの人が問題意識を持つきっかけになればと思う。
 昨年、日本中を沸かせた15人制男子のW杯日本代表は、多様なルーツを持つ選手が集まったチームだった。
 「私にはナイジェリアの血が入っているし、サクラセブンズもダイバーシティー(多様性)の価値を発信できると思う」
 自粛期間に本を読み、スポーツには社会に勇気を与える力があることを学んだ。社会に貢献できる人間になる。大竹は五輪とその先を見据え、プレーも磨く。
 ▼大竹風美子(おおたけ・ふみこ) 1999(平成11)年2月2日生まれ、埼玉県川口市出身の21歳。170センチ、67キロ。日体大4年。7人制ではFW、バックスの両方をこなす。東京・足立十四中で陸上を始め、東京高3年で全国高校総体の七種競技で6位。高3の冬からラグビーを始め、日体大1年だった2017年に7人制日本代表入り。翌年7月には競技歴わずか1年半で、7人制W杯に出場した。
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