言葉と形 追求 石川九楊さん個展「書という深み」 金沢のアート玄羅

2020年8月1日 05時00分 (8月1日 10時51分更新)
石川九楊さんの「令和論 レエワ、レイナ、レイカ、リョウワ騒動記」

石川九楊さんの「令和論 レエワ、レイナ、レイカ、リョウワ騒動記」

  • 石川九楊さんの「令和論 レエワ、レイナ、レイカ、リョウワ騒動記」
 現代日本を代表する書家石川九楊さんの個展「書という深み」が金沢市本町のギャラリー「アート玄羅」で開かれている。書の歴史を踏まえながら、独創的で絵画的な現代書を追求してきた石川さんの作品のエッセンスを味わえる近作二十点が並ぶ。八月三十一日まで。
 古典文学から現代詩などを題材にしてきた石川さんは、二〇〇〇年代に入り、社会に対する自らの批評的なテキストを書にしてきた。言葉として意味を持ちながら形象でもある文字が、筆とともにさまざまに形を変えていく様は、社会の姿も反映する。
 東京都現代美術館で今年開かれた展覧会「ドローイングの可能性」で、アンリ・マティスや草間弥生さんらの絵画とともに展示された近作「令和論 レエワ、レイナ、レイカ、リョウワ騒動記」は、混迷する日本社会を映し出しているかのよう。ほかに「正信偈(しょうしんげ)」「蓮如御文」など浄土真宗にまつわる書のほか、墨を効果的に生かした「風景」「塔」など絵画的な作品も展示する。
 石川さんは一九四五年、福井県武生市(現越前市)生まれで、京都大法学部卒。書家であるとともに、書道史研究者として京都精華大教授、同大文字文明研究所長などを経て、現在客員教授。主著に「書の終焉−近代書史論」(サントリー学芸賞)、「日本書史」(毎日出版文化賞)、「近代書史」(大仏次郎賞)など。
 展示は十月二十三日から福井県ふるさと文学館(福井市)で開く「石川九楊の世界−書という文学への旅−」のプレイベントとして開催した。
 水、木曜日休み。五日は休廊日だが石川さんが在廊して作品を語る。当日は事前予約制で時間を調整して入廊できる。予約は、アート玄羅(電)076(255)0988。(松岡等)

関連キーワード

PR情報

北陸文化の最新ニュース

記事一覧