本文へ移動

まだ朝乃山には、ここ一番の大勝負に弱いところがある…だが残り2日の対戦を考えてみると、ひょとしたら…【北の富士コラム】

2020年7月31日 22時57分

このエントリーをはてなブックマークに追加
照ノ富士(左)に攻められる朝乃山

照ノ富士(左)に攻められる朝乃山

◇31日 大相撲7月場所(東京・両国国技館)


 白鵬の休場でさびしくなった終盤の土俵。一躍主役にのし上がってきたのが照ノ富士。まさか大関まで持ってくるとは驚いたが、2横綱と貴景勝が不在となっては致し方なしである。
 むしろ、照ノ富士にとってはどうせ当たるなら横綱戦でもかまわない。昨日、私はズバリ朝乃山が有利。じゃなく勝つと言い切っている。右の相四つだから小細工なしに立ち合いから予想通り右四つになった。
 上手も始めは両者共に取っていたが、朝乃山の上手が少し深い。反対に照ノ富士の上手は前みつに近く浅いところをがっちり引いている。それも左手小指から取っているので、自然と脇が締まることになる。これで朝乃山の右差し手の肘がきまって半身になった。
 すかさず、照ノ富士の右差し手が返る。右の差し手の甲が相手の背中に付く理想の形である。これだけで朝乃山の上体が浮き上がる。腰も伸びる。これで万全の形となった照ノ富士は、確信を深め勝負に出る。上手の引けない朝乃山は反撃する機会がないまま土俵際。懸命に残そうとするが、相手の盤石の寄りに力なく土俵を割った。
 おそらく激しい攻防になるだろうと見ていたが、意外にも一方的な相撲に終わった。元大関と新大関の対戦というだけでも興味津々である。まして事実上の優勝決定戦の色が濃かったので、いやが上にも注目された一番であった。
 私は朝乃山の勝ちを信じて疑わなかったが、どうやら照ノ富士の気迫に負けたようだ。白鵬の休場でどうしても大関の責任上、絶対優勝しなければと思ってしまうのはよく分かる。
 一方の照ノ富士は今場所は勝ち越すことに目標を定めていたと思う。内容もどんどん良くなり、自信が確信に変わり、目標は当然のように優勝に変わってきたとしても不思議ではない。白鵬の休場でさらに優勝へ意欲が増したとも思われる。まだ朝乃山には、ここ一番の大勝負に弱いところがあるようだ。この一番は気持ちの持ち方が、照ノ富士の方が勝ったというところではないだろうか。しかし、優勝が決まった訳ではない。
 14日目の照ノ富士は、正代と対戦する。さらに千秋楽は御嶽海であろう。ひょっとすると照ノ富士には、朝乃山より取りにくい相手ではあるまいか。朝乃山は照強。千秋楽は正代だろう。どうやら13勝2敗で決定戦の用意をしておいた方がいいかもしれない。少し強引な予想だが、面白いに越した事はない。今場所も2横綱1大関が途中休場してお客さんに迷惑をお掛けしたので、せめて千秋楽は大いに盛り上がってもらいたい。
 本日は本当に放送もこの原稿も休みたいくらいだったが、休むとコロナに負けたような気がするので、あと2日頑張ります。
 今夜はゴーヤーチャンプルー。結構うまく作れました。それにキンピラ。そして赤ワイン。お休みなさい。(元横綱)
PR情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ