SNS相談 寄り添う言葉 LINE活用 金沢のカウンセラー

2020年7月31日 05時00分 (7月31日 10時30分更新)
6月に開かれたSNS相談会。カウンセラーたちは相談者から届くメッセージに頭を悩ませながら、寄り添う言葉を届け続けた=金沢市石引で

6月に開かれたSNS相談会。カウンセラーたちは相談者から届くメッセージに頭を悩ませながら、寄り添う言葉を届け続けた=金沢市石引で

  • 6月に開かれたSNS相談会。カウンセラーたちは相談者から届くメッセージに頭を悩ませながら、寄り添う言葉を届け続けた=金沢市石引で

◇共感の伝え方 試行錯誤の日々
◇文字やりとり 温かみ大切に

 無料通信アプリLINE(ライン)を通して相談に乗るカウンセラーが石川、富山両県にいる。文字だけのやりとりの中に温かみを持たせ、相談者の不安や悩みを受け止める「手のひらの中のカウンセラー」たち。会員制交流サイト(SNS)特有の難しさを感じながらも、頼れる存在になろうと奮闘している。(蓮野亜耶)
 SNSでカウンセラーとして活動しているのは、金沢市の「カウンセラーカレッジ石川」代表理事の森辰美さん(55)、SNSを通じた相談を受け付ける同市の「こころネット北陸」の米林香華さん(44)、富山市のメンタルコンサルタントの野末貴代さん(42)らだ。
 三人は五、六月、新型コロナウイルスに関する不安や悩みを受け止める相談会を実施。現在は、児童養護施設で過ごす子どもたちを対象にした相談事業も行っている。
 SNSを活用した相談は数年前から普及しつつある。野末さんは「ハードルが低い。自分に合わないと思ったら返事をしなくてもいい」と相談者の利点を語る。カウンセラーを統括する「スーパーバイザー」を置くのも特徴。森さんは「各カウンセラーにも得意分野がある。専門性を共有し、チームとして悩みを受け止められる」と説明する。
 一方で、文字だけのやりとり特有の難しさもある。野末さんは「(返信は)人工知能(AI)ですか、と聞かれることもある」と明かす。どれだけ言葉に温かみ、存在感を持たせられるか。贈る言葉の選択に迷う日々だ。
 例えば、「どうしていいか分からないくらいつらい」とのメッセージには「どうしようもないくらい八方ふさがりなんですね。おつらいのですね」と言い換えて送る。相談者が置かれている状況を整理し、受け止める。野末さんは「傾聴の基本を忠実に、丁寧に実践することが大事」と話す。
 表情や相づちなどで伝わる相談者への共感などが、文字だけでは表現しきれないもどかしさもある。米林さんは「深くうなずいたり、目線を交わしたりして伝えていた部分が大きかった」とも。共感の伝え方はいまも試行錯誤の連続だ。
 それでも、三人はSNS相談の必要性を訴える。森さんによると以前、相談中にずっと「死にたい」と繰り返していた人が、カウンセリング後のアンケートに「役に立った」と答えたことがあった。
 「安全に愚痴を発散できる場所があるということは実は大事。つながる場所があるだけで心が軽くなる人もいる。その場がSNSだ」。三人は異口同音に強調する。

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