墓穴を掘った白鵬、まさに天国から地獄…私の予想は朝乃山だが、頭の中は真っ白であります【北の富士コラム】

2020年7月30日 21時48分

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御嶽海に敗れ、右足を気にしながら土俵に戻る白鵬

御嶽海に敗れ、右足を気にしながら土俵に戻る白鵬

  • 御嶽海に敗れ、右足を気にしながら土俵に戻る白鵬

◇30日 大相撲7月場所12日目(両国国技館)


 結びの一番の興奮がまだ残っている。少し冷静になろう。
 それでは優勝争いの一角を担う照ノ富士と玉鷲の一番。驚異的な復活を見せている照ノ富士ではあるが、今日の相手は強い。今までの相手とはちょっとばかり物が違う。とにかく右四つに組まなければ、一気の突き押しに圧倒される公算が極めて大きい。そんな予想を立てて見ていたが、現実は真逆の展開となった。
 照ノ富士は立ち合いから四つに組み止める気は毛頭なく、玉鷲の突っ張りに張り手を交えながら応戦する。激しい攻防が続いたが照ノ富士の気合が勝り、玉鷲にしては珍しく戦意を失ったように土俵を割った。元大関の意地とベテラン玉鷲の闘志が素晴らしい相撲を見せてくれた。実にすがすがしい一番であった。
 1敗を守った照ノ富士は、13日目は朝乃山と対戦する。よもや大関戦まで持ってくるとは予想をしていなかったが、貴景勝が休場したこともあり、一気に大関戦の実現となったものと思われる。初場所の徳勝龍と貴景勝の例もあるので、照ノ富士も納得だろう。逆に嫌なのは朝乃山の方だろう。いくら元大関とはいっても幕尻の力士に負けては大関の名が泣こうというもの。
 おそらく初顔の対戦と思われる。右の相四つ。先に上手を引いた方が主導権を握ることになろう。私の予想はズバリ朝乃山。いずれにしても楽しみである。
 それでは、少し冷静になったところで白鵬と御嶽海の一番を振り返ろう。立ち合いの白鵬は鋭い踏み込みを見せ、すぐに右上手を引いて一気に突っ走った。まるで11日目のうっぷんを晴らすべく、万全で完璧で強い白鵬を見せつけたかったに違いない。
 ここまでは誰の目にも白鵬強しと映っていたと思う。ところがである。完全に引きつけられ、身動きができず土俵を割るかと思わせていた御嶽海が、捨て身かやけくそか分からないが、恐らく無意識に右から突き落とすと、白鵬はもんどり打って土俵下に転落した。
 あまりにもあっさり相手が下がったので、思わず喜びすぎてしまった。敗因は相手の術中にはまった訳でもなく、自ら掘った墓穴にはまったと言うほかはない。それより、負けたのは勝負で仕方ないが、右脚が心配である。相当悪いと思った方が良いだろう。
 白鵬にとって、この2日間はまさに天国から地獄である。これだけは私も予想はできなかった。あと3日戦うには、気力も体も限界にきているようだ。どうやら優勝争いは急展開となった。
 白鵬が元気に13日目の土俵に上がれると良いのだが、もし休場となった場合は朝乃山と照ノ富士の一番を制した方が優勝となろう。このような流れを全く予想していなかったので、私の頭の中は真っ白であります。場所前から優勝は白鵬と言い切っていたので、動揺は隠せない。
 今日は日が悪かった。コロナの感染者が東京都で367人も出ている。それも高齢者が増えてきたらしい。とにかく年寄りは、外に出てはいけないらしい。だから、私は13日目から休場しようと思ってます。お世話になりました。(元横綱)
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