<EYES> フォトジャーナリスト 安田菜津紀さん 学ぶ権利 私にも

2020年7月30日 10時52分 (7月30日 10時54分更新)

中央がエリダさん。細やかに織られた伝統衣装は彼女たちの誇りだ

 中米の国グアテマラ、首都から車で7時間ほど離れたアルタ・ベラパス県。みずみずしい山に囲まれた村々で、コーヒーやトウモロコシなどを栽培しながら人々は静かな暮らしを営んでいます。一方で、特に農村には「マチスモ」という男性優位の価値観が根強く残り、ただ「女の子だから」という理由で、父親や兄たちから学校に通うことさえ反対されたという声を度々耳にしてきました。
 エリダさん(13)の父親も、「学校に行くのは“彼氏”をつくるためなのか?」とかたくなに理解を示しませんでした。それでも教育を受け続けているのは、母の後押しがあったからだといいます。「母は学校に行く機会が十分にないまま、全く面識のない人と早くに結婚させられました。同じ思いを娘にしてほしくないという強い気持ちがあるのだと思います」
 国際非政府組織(NGO)「プラン・インターナショナル」の活動に参加し、自分には学ぶ権利があるのだとはっきり知ることができたというエリダさん。「女の子は以前、参加さえしていなかった」という地域のサッカーチームに所属し、今はゴールキーパーを務めています。将来は、心理療法士になって、性暴力の被害を受けた子どもの心理ケアをしたいと考えています。こうして得た学びの「種」は、彼女たちの心の中で、そして地域で、少しずつ花開こうとしています。
 <やすだ・なつき> 1987年神奈川県生まれ。NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)他。上智大学卒。TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

◆NPO法人Dialogue for Peopleのサイトはこちらから。

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