厄介もの「ムラサキウニ」 小浜の「珍味」いける 高校生が研究
2020年7月30日 05時00分 (7月30日 10時00分更新)
小浜市の若狭高校海洋科学科の二年生八人が、厄介ものとして漁獲されないムラサキウニを塩うにとして加工する研究に取り組んでいる。試食した内外海(うちとみ)地区の民宿経営者から「珍味」と驚きの声が上がっている。
市内ではすしねたのアカウニの漁獲量が減少している。一方、生食として適さないムラサキウニは、アカウニと生息域が近い水深一〜三メートルの岩場におり、同じ海藻類を餌とする。
地元では、アカウニの資源保護を目的にムラサキウニを駆除しており、こうした現状を知った八人が前年の先輩たちの研究を引き継ぐことに。ムラサキウニの卵巣を取り出し塩漬けして発酵、熟成することにした。
研究の主なテーマはムラサキウニの有効利用で、塩漬けする際の塩分量を10、15、20%などと変え、熟成期間の長短による外観の変化や塩味、甘味、うま味を調べている。
海辺の小浜市阿納で試食会があり、民宿を経営する河原佳都雄さん(67)らは「加工の手間がいることや、アカウニに比べて甘味が少ないため、これまで食べたことはなかった。塩分量15%がウニ本来の風味が残りまろやかな味だった。珍味として提供できるかもしれない」と生徒に期待した。二年生の安田流香(るか)さんは「今後は商品化に向けて取り組む班もつくって研究を続けたい」と話した。 (池上浩幸)
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