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最悪“シーズン中止”も…間違えられないコミッショナーの『初期対応』かじ取り【AKI猪瀬コラム】

2020年7月29日 11時33分

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23日、ナショナルズ-ヤンキースが行われたナショナルズ・パークを訪れた大リーグのマンフレッド・コミッショナー(AP)

23日、ナショナルズ-ヤンキースが行われたナショナルズ・パークを訪れた大リーグのマンフレッド・コミッショナー(AP)

 開幕してわずか1カードを消化した時点で、危惧していた新型コロナウイルスの感染が拡大し、フィリーズ―ヤンキース、マーリンズ―オリオールズが急きょ中止になりました。選手、コーチを含む14人の感染者が出たマーリンズは開幕カードが行われたフィラデルフィアからホームのマイアミに戻る予定でしたが、追加の検査結果が判明するまで移動を控えることにしました。
 マーリンズのマッティングリー監督は「マイアミには、選手たちの家族が待っている。感染を広げないためにも当地にとどまることが最善の策」と語り、オーナーグループの一人、デレク・ジーターさん(元ヤンキース)も「状況を正確に把握するために試合をキャンセルした。今回の判断は正しかったと思う」と、チームの決断を支持しました。
 一方、大リーグ機構のマンフレッド・コミッショナーは「最も重要なことは、選手とその家族の健康を維持すること。感染拡大を抑えるためにやるべきことを全て行う。今まで数万件以上の検査を行ってきたが、陽性率は0・4%。安全対策マニュアルは機能しているので、今回の感染が最悪の事態に発展するとは、考えていない。検査結果が良好ならば、マーリンズは、すぐに試合を再開できる」とコメント。これに対し、今季辞退を選択したドジャースのプライス投手は自身のツイッターで「選手と家族の健康が一番大切だと発言するマンフレッド氏が信じられない。だから、俺は家族と自宅に待機することを選択した。マンフレッド氏が真実を語っているのか、今後の成り行きを注視する」と、厳しい意見をつづりました。
 機構側の対応を見る限り、マーリンズのみを押さえ込めば、感染拡大を抑えられると思っていると感じますが、米国内の報道によると、開幕直前にマーリンズが練習試合のために滞在したアトランタで感染が始まったと推測されています。現に、アトランタを本拠とするブレーブスにも感染者が散見されています。
 一般社会でも野球界でも本当の発生源を突き止めて対処しなければ、感染拡大を防ぐことはできません。今季は短期間での集中開催のため、日程に余裕はありません。コミッショナーのかじ取りの小さな間違いが、最悪のシーズン中止や再びシーズン辞退者を出す可能性をはらんでいます。(大リーグ・アナリスト)

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