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「伝えにいった 日本語でね」大量失点許す中日がいつもと違った“あの1球”…捕手A・マルティネスの機転

2020年7月29日 11時25分

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ヒーローインタビューを終え、ガッツポーズするA・マルティネス

ヒーローインタビューを終え、ガッツポーズするA・マルティネス

渋谷真コラム・龍の背に乗って

◇28日 広島2ー3中日(マツダ)
 いつものように早めの継投に入り、いつものように逆転されたが、いつもと違ったのはトドメを刺されなかったことだ。7回、佐藤が打たれ、なお1死一、三塁で登板した3番手の岡田が踏ん張った。田中広が初球に仕掛けたセーフティースクイズを空振りで封じ、8球かけて三振。続く代打・長野は慎重にボールを散らし、塁を埋めた。
 1番・西川との勝負。最近の中日は、必ずここで挽回不能の追加点を許していた。最後の勝機。カウント2―2からファウルを打たせたところで、捕手のA・マルティネスがタイムを取った。通訳なし。バッテリーのみの打ち合わせだった。
 ほどけた後、スライダーを連投。1球目はストライクにしか見えなかったが、ボールと判定された。気持ちを奮い立たせ、フルカウントからもう1球。二ゴロに抑え、勝利への可能性を消さなかった。
 「バッターを観察していて、抑えられそうなボールがあったからそれを伝えにいったんだ。4つか5つの日本語の単語でね」
 西川に対して、ストライクはいずれもストレートで取っていたのだが、アリエルは「スライダー」だと確信した。言語の壁など野球人の間にはない。打のヒーローは、守備でも影のヒーローだった。2死からの逆転。先発の福谷も少しは報われ、打たれた佐藤も救われた。岡田は今季初勝利。最近の悪夢には彼も関わってきただけに、感じるところはあるはずだ。
 「まだ1点差だったので、何とかここをしのいでベンチにかえろうという気持ちでした」
 26日は8回に5点取られた。24日は7回に4点、23日は8回に5点…。あの満塁で岡田が打たれていたら、間違いなく負けていた。アリエルが求め、岡田がうなずいて投げたスライダー。中日が久々に制した「あの1球」だった。
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