(34)「視線入力」に出合い感動

2020年7月29日 05時00分 (7月29日 11時38分更新) 会員限定
ロボット研究者の吉藤オリィさん(奥)。視線入力によるパソコン操作を教えてくれた

ロボット研究者の吉藤オリィさん(奥)。視線入力によるパソコン操作を教えてくれた

  • ロボット研究者の吉藤オリィさん(奥)。視線入力によるパソコン操作を教えてくれた

 四年前の入院中に、私は声を失いかけた。私はそれまで自分の声で会話ができることを当たり前に思っていたし、自分の声が出なくなるなんて想像していなかった。だからこそ、声が出なかった一時期は、絶望と不便さに苦しみ、もだえた。
 退院後もあの出来事を思い出すたび、こう考えるようになった。同じような状況下で苦しんでいる人たちを助けたい。奇跡的に声を取り戻すことができた私だからこそ、社会に還元できる役割があるのではないか。
 アイデアはあった。今や私の生活や仕事には欠かせない「視線入力」によるパソコンなどの機器の操作を広めることだ。視線入力を使えば、声を出せなくてもコミュニケーションを取ることができる。
 実は入院中の私は、視線入力についてよく知らなかった。教えてくれたのはロボット研究者として著名な吉藤オリィ氏。二〇一四年にフェイスブックで知り合った。彼は当時から「OriHime(オリヒメ)」というロボットの開発でメディアにも多く取り上げられた。偶然、私が入院中、視線だけでコミュニケーションができるソフト「OriHime eye」を開発し、発売していた。
 彼は名古屋出張の帰りに見舞いに立ち寄ってくれた。...

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