“王族の末裔”に実刑 福井地裁判決「建国ありえない」 投資詐欺事件

2020年7月29日 05時00分 (7月29日 09時36分更新)

 王族の末裔(まつえい)を名乗り、海外資産を回収して「ブライトン王国」を建国するという架空の投資話を展開して県内の女性ら二人から計六千百五十万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた住所不定、無職王見(おうみ)禎宏被告(67)の判決公判が二十八日、福井地裁であり、河村宜信裁判長は懲役四年六月(求刑懲役五年)の実刑判決を言い渡した。
 判決理由で河村裁判長は「集金のための組織を構築し、被害者間の個人的な信頼関係を利用して怪しげな投資話を言葉巧みに信じ込ませた」と非難。王見被告が法廷で活動の継続を宣言したことから「再犯のおそれも容易には拭い難い」と指摘した。
 一連の投資話は二〇〇二年に始まり、王見被告らは全国各地の支援者から三十二億円以上を集めた。五百旗頭(いおきべ)正男受刑者(71)=懲役五年判決が確定=が画策し、架空の組織「欧州王室連合」名義の書簡を王見被告に送付。自身に多額の財産があると信じ込んだ王見被告が支援金を集め、大部分を五百旗頭受刑者に渡した。公判では、女性から金を受け取った一三年時点で王見被告にだます故意があったかが争点となった。
 王見被告は、海外資産を回収して王国を建国する計画は架空ではないと主張したが、判決は「通常およそありえない」と指摘した上で五百旗頭受刑者の創作話と断定。「虚偽であったことは明らか」と退けた。
 だます故意について判決は、一〇年に五百旗頭受刑者の豪華な生活を把握し、一二年には被告自身もキャバクラなどで私的流用していたことから「事業の真実性を信じる者の行動としては明らかに相いれない」と言及。犯行時には「虚偽であるとの未必的な認識があった」とした。

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