ジブリの“大じゃない”博覧会に宮崎吾朗監督が来場

2020年7月28日 14時46分 (7月28日 21時17分更新)
 名古屋・栄の愛知県美術館ギャラリーで開催中の「ジブリの“大じゃない”博覧会」(愛知県、中日新聞社主催)に、スタジオジブリの宮崎吾朗監督が来場。総合プロデューサーを務める「ジブリパーク」への思いや、今年冬に放送予定の新作長編アニメーション「アーヤと魔女」(NHK総合テレビ)の魅力について語りました。

【宮崎吾朗監督の発言詳細】
―「アーヤと魔女」とパーク起工式について
 初めてのフル3DCG作品、セル画イメージじゃない新しい作品として、自信を持って送り出せると思っている。
起工式は始まりなんです。やっとこれから本番。なので、アーヤと魔女ができたと思ったら、ジブリパーク。
―展覧会のおすすめ
 展覧会はかなり間に合わせで作った。時間が無いので、あるものを即興でやろうと、それが僕にとってかえって面白い。練りに練った物とは違う。特に宮崎駿の岩波推薦文。夏休みどこにもいけないし、本でも読むかとなるんじゃないか。カンヤダさんの写真も、遠くに思いをはせることができるのでは。
―起工式を終えて
 アニメーション映画で言うと、絵コンテが終わって、さあ現場プロダクションに入るぞというタイミングが起工式。設計は終わりました。でもそれは紙に書いたもの。これから現場で、いろんな人の手を借りながら作る。一段落というよりも、これから一番大事な局面が始まる感覚。だから、おめでたくは全然なくて、まだこれから。
―鍬入れの感想
 やっぱり緊張しますね。身が引き締まる思い。これまで構想計画設計やってきて、これからいよいよ工事。もう後戻りできない。これから先は、今まで積み上げてきたことが間違ってなかっただろうかという気持ちがどこかにある。不安を持ちながら現場に臨む。みなさんよろしくという気持ちです。
―「アーヤと魔女」これから公開、どのようなキャラクターを作ったか
 今回はフル3DCGなので、ジブリの中で作り方を知っているのは僕しかいない。だから、誰にも相談せずに作れた。確かに、企画、本を持ってきた「これいいんじゃないか」と勧めてくれたのは鈴木プロデューサーですけど、あとは現場に任せて若いスタッフと話をしながら作った。おじいちゃんたちにはほとんど相談していない。
―「サツキとメイの家」が宮崎吾朗のキャリアのスタートだが、公園の自然や地形の面白さは
 大きい公園ですが、山あり谷ありという場所で、ちょうど5本の手を広げたようなつくりで、谷を越えて回り込むとシークエンスが代わるという意味で魅力的な場所。大きすぎず、小さすぎず、囲まれた場所もあるし、見晴らしのいい場所もある。場所の持つ魅力は大きい。あと、ため池があるのはこの地域特有ですね。関東にはないので。
―デザイン画が形になる。どんなパークに
 ずっと考えていたのは、ジブリのテーマパークと言われて、どうも普通の人が思う大きな機械仕掛けのアトラクションがあって、そこから世界に没入していくようなものはジブリに向かないんじゃないか。作品はどこかに日常やリアリズムに立脚している。「耳すま」をテーマパークにするのに、聖蹟桜ヶ丘の街を作るのか。公団住宅をね。そういうことじゃない。もう少し本当の意味での公園に近いパークになる。その中で「大倉庫」は唯一箱の中にあるんだから、そこだけ毛色を変えて、大倉庫と名付けたのには理由があって、そもそもジブリのいろんな造形物や資料をしまう倉庫がないと大騒ぎしていた。その話を聞きつけた大村知事からパークの話が。そうすると美術館と言うよりも、いろんなものがごちゃ混ぜに、大きな物から小さな物、がらくたから価値のありそうな物まで、いろんなものが放り込まれた総合的なガチャガチャな場所になればいいなと。屋外にあるものは「サツキとメイの家」のように、本物であってほしい、やっぱり。本物の家として存在してほしい。大倉庫は既に箱の中なので、本物を作るというよりも、箱の中はどちらかというとセットであったり、作り物っぽい世界。大博覧会を10倍、100倍にしたような。
―ジブリパークは今どのあたりか
 まだ3割くらいしか終わっていない。建築の現場が始まり、そこにあるショップどうするかとかカフェで何のメニュー出すかとか、展示をどうするか。とりあえず入れ物の話だけなので、中身の話をどうするか、もう2年ちょっとしかないので一緒にやってる人たちが焦り始める。建築は始まったが、まだまだやらないといけないことがあるので、3合目くらいかなと。
―造形物立体化する目玉のようなものは。デザイン画にヒントがあるかもしれないが
 見るばかりじゃつまらないので、小さな子どもたちが体を使って遊べる場所を屋内に作りたい。ジブリ美術館にあるネコバスは子供しか遊べない。この会場にもあるが、大きいネコバスはみなさん座って写真撮れる。もう少し子どもたちが遊べつつ、それだけじゃなく周りも遊び場になってると面白いなと思って。それだけじゃなくて、スタジオジブリ紹介として子供サイズの街を作りたい。イメージで、東京の東小金井にスタジオジブリがあるんですが、駅からジブリまでの道をちょっと前の風景を再現して、そこが遊び場になる。それは新しく作る。それ以外に、アリエッティのおうちだとか庭は、以前東京の現代美術館で再現したんですが、大きい造形物というとそれ。あとは、ここの湯婆婆も放り込む。造形物が大型化しているのもあって、ネコのコニャラも巨大な造形物を作ってしまって、置くところがなくて、愛知県にお願いしている。
―「アーヤと魔女」コロナ後へのメッセージは
 むちゃくちゃ強い女の子の話。ナウシカとかのキャラクターとは違って、「私の思うように生きていきたい。そのためにはありとあらゆることをする」というバイタリティー。見終わった人の表情が明るい。どこかで抑圧されてプレッシャーや嫌な気持ちを晴らしてくれるキャラクター。今見ていただいても、大丈夫な作品かなと。今までのジブリのヒロインにはない。
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