【「あなた」のお医者さん】17、物語に基づく医療

2020年7月28日 05時00分 (7月28日 10時03分更新) 会員限定
 病気になると、これまでの生活が一変してしまうことがあります。例えば、脳梗塞で半身が不自由になった五十歳の男性は、これまでできたことができなくなり、自信を失いました。会社の部署は体調を考慮して変更され、人間関係や社会的立場も変わりました。
 それまでの人生の流れの一貫性をなくしてしまい、患者さんは混乱して思い悩みます。治らない病気になると、失望したり、裏切られたような感覚に襲われたりし、それに耐えようとします。そんな時は、患者さんが語る言葉をよく聞いて病気をどう解釈しているか理解し、それを伝えます。患者さんが今の状況に意味を見いだし、新しい生き方のパターンを作る。対話はそのサポートになります。
 患者さんは経験という「物語」の主人公になり、自分の病気をどのように考え、対応して、今後をどう形作るかを話します。一つの問題や経験が、いくつもの物語を生むこともあります。このような患者との対話の繰り返しは治療の重要な一部で、これを「物語に基づく医療(Narrative(ナラティブ)−Based(ベイスト) Medicine(メディシン))」と呼びます。臨床研究の結果を基にした「根拠に基づく医療(Ev...

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