未来の4番打者が今1軍で勝つために…中日・石川昂が価値あるプロ初犠打 成長遂げ貴重な“1”とできるか
2020年7月26日 11時34分
渋谷真コラム・龍の背に乗って
まだ18歳の代走・岡林を、19歳になった石川昂が二塁に送った。プロ初の犠打が決勝点の舞台を整えた。命じた与田監督がその価値をたたえた。
「石川昂弥もね、おそらく2軍でしたことないと思うけど、1軍で勝つためによくやってくれました」。未来の4番打者。2軍では英才教育を施されているが、1軍では修業の身だ。7回、無死一塁。ただし、非常に難易度の高いミッションだった。
投手の西勇はフィールディング能力が高く、けん制球の速さも球界屈指。5回には勝野のバントで、石川昂自身が二塁で封殺されている。岡林もそうだったが、両足とも赤土に収まるほど、短いリードオフしか取らせてくれなかった。さらにバントだと悟った西勇は、石川昂の経験の浅さをついてくる。1球目は逃げるスライダーを追い掛け、空振り。当然、2球目もスライダー。辛うじて転がし、成功させた。
「記憶にありませんが、小学生以来です」。試合後の言葉を聞くと、よく決めたと思う。強打者と犠打。現役のスラッガーでいえば、本塁打でメジャーデビューを飾った筒香嘉智は日本では968試合で2。森友哉は24日にサヨナラ勝利の舞台を整えたのが、プロ2度目の犠打だった。山川穂高、岡本和真も2。中田翔が1335試合で、福田が636試合で犠打ゼロを更新中だ。
2回には遊撃内野安打、5回には左前打を放ち、4試合連続安打。2度目のマルチ安打と、石川昂はめきめき対応力を高めている。
「練習でやっていることが、試合で少しずつ出せるようになってきている。それが結果につながっていると思います」
こう話す石川昂がこの先のキャリアで、いくつの犠打を命じられ、こなすのか。大きく育てば育つほど、僕は貴重な「1」を目撃したことになる。
「練習でやっていることが、試合で少しずつ出せるようになってきている。それが結果につながっていると思います」
こう話す石川昂がこの先のキャリアで、いくつの犠打を命じられ、こなすのか。大きく育てば育つほど、僕は貴重な「1」を目撃したことになる。
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