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『3きょうだい五輪』から8年…末っ子・田中佑典「間違いなく1年前より動ける」東京へ意欲を見せる30歳

2020年7月25日 21時37分

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田中佑典の平行棒の演技

田中佑典の平行棒の演技

自粛期間中、ツイッターで『体操の面白さ』発信

 体操男子で、2016年リオデジャネイロ五輪団体金メダリストの田中佑典(30)=コナミスポーツ=がこのほど、本紙の電話取材に応じた。兄・和仁さん(35)、姉・理恵さん(33)との「田中3きょうだい」で出場した12年ロンドン五輪から8年。来年に延期された東京五輪で、3大会連続の五輪代表入りを目指すベテランに、今の思いを聞いた。
 体操一家で育った「田中3きょうだい」の末っ子にとって、現役である限り目指すべき大会、それが五輪だ。1年延期されても、出場への意欲は失わなかった。
 「目標としていた試合が中止や延期になり、東京五輪も2020年にやりたかった気持ちはあるが、こればかりは仕方ない。戸惑いはあったが、気持ちを切り替えた」
 緊急事態宣言が出た4月以降も、新型コロナ感染対策に細心の注意を払い、「1日3時間の時間短縮で密にならないように、コナミの体育館で練習はずっとできていた」。それでも、これまでの日常が失われ、不要不急の外出自粛期間中に芽生えた思いがあった。「スポーツや仕事、好きなことは、命あってできることで、人との関わりやふれあいも必要なものだな」と。そして「体操を通して何ができるかも考えましたね。体操で(何かを)伝えていきたい気持ちが強くなった」と、自身の役割を改めて感じた。
 その一環でもあるのだろう。自粛期間中、ツイッターで、体操の面白さを伝えた。例えば、男子で約800ある技のうち、「自分ができたことがある技を初めて数えたら、288技だった」こと。競技歴24年ながら「半分にも及ばないことに体操の奥深さを感じる」とつぶやいた。
 体操界には「○○王子」と別名がつく選手が多い中、足先までピンと伸びた倒立などの姿勢は誰もがほれぼれする。基本に忠実な演技で魅了する田中を「倒立王子」と呼んでも、不思議ではない。昨年は痛めた肩の影響で不本意な結果に終わったが、冬場から順調に練習を積んだ今年は「間違いなく1年前より動ける体がある。自分の体操を極められる時間が増えたなと素直に思うので、まだまだできるというところをファンの皆さんや見本としてくれている子どもたちに見せられたらいい」。
 代表入りすれば、東京五輪で3大会連続の出場となる。「(出場したいという)気持ちは変わらない。(昨年1月に)東京五輪以降は考えられないと話したことで『引退を示唆』と言われたが、今はどうなるか分からない」。好きな体操の技を磨き続け、来年も晴れの舞台にきっと立つ。
▼田中佑典(たなか・ゆうすけ) 1989(平成元)年11月29日生まれ、和歌山市出身の30歳。166センチ、58キロ。和歌山北高、順大を経てコナミスポーツ。体操指導者の父・章二さんの下、兄・和仁さん、姉・理恵さんとともに7歳で本格的に競技を始める。2012年ロンドン五輪団体銀、16年リオデジャネイロ五輪団体金と2大会連続メダルを獲得。世界選手権では14年大会個人総合銅、団体銀、15年大会団体金。基本に忠実な「美しい体操」の体現者。

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