絵本で問いかけ、いじめ・差別 アフリカ系米ノーベル賞作家、故トニ・モリスンさん  

2020年7月25日 05時00分 (7月25日 05時00分更新) 会員限定
トニ・モリスンさん(UPI・共同)

トニ・モリスンさん(UPI・共同)

  • トニ・モリスンさん(UPI・共同)
  • 絵本『どっちの勝ち?』を翻訳した鵜殿えりかさん=愛知県長久手市の同県立大で
 アフリカ系米国人作家として初めてノーベル文学賞を受けたトニ・モリスンさん(一九三一〜二〇一九年)による絵本『どっちの勝ち?』の邦訳が、みすず書房から刊行された。子どもや若者に、社会を理解するためのヒントを与えてくれる一冊だ。愛知県立大名誉教授の鵜殿えりかさんが、フェリス女学院大准教授の小泉泉さんとともに翻訳を手がけた。 (宮崎正嗣)
 小説『青い眼(め)がほしい』などの著作で知られるモリスンさんは、アフリカ系米国人の文化と歴史を踏まえながら、社会的少数者をとりまく問題を鋭く提起し続けた。日本では小説作品がすべて邦訳されており、長編作家の印象が強いが、実は絵本仕立ての物語も数多く残している。鵜殿さんは「小説と同様に、多様な解釈を促すのがモリスンさんの絵本の魅力。人とのつきあい方に悩む今日の子どもたちに読んでもらいたかった」と翻訳の意義を語る。
 『どっちの勝ち?』は「アリとキリギリス」「ライオンとネズミ」「おじいちゃんとヘビ」という、イソップ童話を下敷きにした三話を収録している。画家や音楽家として活動した息子のスレイド・モリスンさんとの共著としてそれぞれ二〇〇三年に米国で発表され、のちに三...

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