琴勝峰の落ち着きぶりには恐れ入った 相撲界の藤井聡太になってもらいたいものだ【北の富士コラム】

2020年7月22日 21時55分

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琴勝峰(右)が叩き込みで高安を破る

琴勝峰(右)が叩き込みで高安を破る

  • 琴勝峰(右)が叩き込みで高安を破る
 またしても自粛要請が出てしまった。急用のない人と高齢者は特に外出しないようにと言われると私のような年寄りは甚だ気分が悪い。
 私なんぞは春場所が終わり3月23日に帰京してからは歯医者さんに2回と持病の検診に1日。夜は飯を食いに1回外出しただけである。7月場所が始まったので、場所には出掛けるが、終わると帰宅し原稿を書いて飯食って寝るだけであります。やれ東京を離れるなとか旅行に行けとか訳が分からない。
 こんな時はテレビで相撲でも見ているのが一番無難じゃないでしょうか。では、私も22日はNHKの仕事が休みなのでテレビで相撲観戦でもしましょうか。これでこの原稿さえなければビールでも飲みながら楽しめるのにまことに残念。
 幕内前半最初の一番は全勝の照ノ富士が千代翔馬にもろ差しを許したが、慌てず両かいなをガッチリ極めて寄り切った。以前の照ノ富士ならおそらく小手投げか強引な攻めに出たと思うが落ち着いて前に出た。これならケガの再発は心配ない。いったい何連勝するか楽しみである。
 連勝と言えば、琴勝峰が高安に対し真っ向勝負で見事に勝利を収めた。元大関、腐ってもタイの高安のかち上げを物ともせず頭で当たり、突っ張りで応戦する。全身毛だらけの大きな高安に気後れすることなく堂々と渡り合うのだから、相当気も強いようである。私なら仕切っているうちにビビっていただろうと思う。大したものだ。恐れ入った若者である。この落ち着きはいったい何だ。無駄な動きが全く見られないのは驚くばかりである。果たして何番勝つのか楽しみだ。
 あまり言いたくないが、私でも新入幕で13番勝っている。14勝を目指してもらいたい。何なら全勝してもかまわない。あまり期待が大きいと負担になるといけないが、琴勝峰なら心配ないだろう。相撲界の藤井聡太になってもらいたいものだ。
 今の相撲界は朝乃山はいるものの、とびきり生きの良い若手力士がほしいところである。遠藤も人気はあるが、すでに29歳。残された時間はそうはない。貴景勝は確かに若いが、ケガに見舞われ思うような相撲が取れていないだけに、琴ノ若と琴勝峰に大きな期待がかかってくる。
 全勝の御嶽海は21日の薄氷を踏むような相撲と打って変わり、万全の相撲で豊山を押し倒した。これでますます調子を上げてくるだろう。同じく3連勝中の朝乃山も大栄翔の激しい押しに攻め込まれたが、土俵際弓なりに反りながらも柔らかい腰で残し逆転した。
 白鵬も危ない相撲だった。立ち合いは良い踏み込みを見せたが、隆の勝の出足に圧倒され押し込まれた。しかし、冷静に隆の勝の足の流れを察して、左からの突き落としで難を逃れた。思わず首をひねった白鵬。さすがにヒヤリとさせられたようである。それでも手堅く全勝となった。
 貴景勝と遠藤の一番は物言いが付く際どい勝負だったが、辛うじて貴景勝の勝ちとなった。力士たちの動きもようやく戻ってきたようだ。
 土俵は平静だったが、感染者が猛烈な勢いで増してきている。小池知事が高齢者は外出するなと懸命に訴えている。何だか私も休みたくなってきた。不安である。それでは、お中元で頂いたうなぎでも食べようか。うなぎでコロナには勝てそうもないが、頑張ってみようか。皆さまもお大事に。失礼します。(元横綱)
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