プロの夢が叶う前に53歳で他界…スタメン落ちも経験した早大10番 FW加藤がゴールに込める父への思い

2020年7月22日 12時22分

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得点王獲得とベストイレブン選出を今季の個人目標として掲げる早大FW加藤(C)JUFA/Reiko Iijima

得点王獲得とベストイレブン選出を今季の個人目標として掲げる早大FW加藤(C)JUFA/Reiko Iijima

  • 得点王獲得とベストイレブン選出を今季の個人目標として掲げる早大FW加藤(C)JUFA/Reiko Iijima

◇関東大学サッカー 旬の男たち

 関東大学サッカー1部リーグで2季ぶり28回目の優勝を目指す早大が開幕2連勝と好スタートを切った。第2節の一戦が延期されて迎えた第3節の専大戦(18日)では、後半に2点を奪い、逆転勝ちを収めた。スタメン落ちしていた10番、FW加藤拓己(3年・山梨学院)が殊勲の2ゴール。後半開始からの出場45分間で役割を果たした。
 練習試合を含め、専大戦前の直近4試合で個人として無得点が続いていた。「憂鬱(ゆううつ)でしたし、何とかしなければいけないという力みもありました」と振り返るが、専大戦の2日前に気持ちが切り替わった。
 21歳の誕生日だったその日、「今週末は加藤のゴールで喜びたい」とのありがたいメッセージを外池大亮監督から受け取り、肩の力が抜けた。吹っ切れた点取り屋はヒーローに。「期待に応えなければいけないですし、自分のゴールでチームを勝たせなければいけません」という今季に懸ける本来の思いをピッチ上で体現した。
 「早稲田の10番のフォワードは点を一番多く取らなければいけないと思いますし、自分が得点王を取れば、チームは優勝に近づくことになるはずです」と、リーグ最多Vを誇る伝統校のエースとしての使命感を抱く。さらには、53歳の若さで昨年12月に他界した父・秀人さんのためにもゴールを量産する必要がある。
 仕事で青森暮らしだった父は息子のゲームを観戦することがなかなかできなかった。それでも、「(加藤がプロになったら)デビュー戦だけは絶対に見に行きたい」と話していたという。プロへの道を切り開くには3年生の今季が重要になる。それを承知し、「勝負の年です。チームが勝つ中で、個人としても結果を残していかなければいけません」と意気込む息子。正念場を乗り越え、見てもらうはずだった晴れ姿を天国の父に必ずや届けると決意する。

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