本文へ移動

コンパクトな腕の振りに変えた大谷翔平  フォーム修正で予見できた“弊害”[大慈彌功コラム]

2020年7月20日 22時03分

このエントリーをはてなブックマークに追加
エンゼルス・大谷翔平(AP)

エンゼルス・大谷翔平(AP)

「日本人初メジャースカウト・大慈彌功論」


 大リーグはここまで14人の出場辞退者、新型コロナウイルス感染で多数の選手が不在の中、23日に開幕を迎えようとしている。まず一番の注目はエンゼルスの大谷翔平(26)だろう。2018年10月に右肘、19年9月に左膝と手術を受け、長いリハビリを経た後の二刀流復活である。
 私が大谷を初めて見たのは11年7月、彼が花巻東高の2年生だった夏の岩手大会。その試合は右翼での出場だった。第1打席に立つ前、ネクストバッターズサークルでの素振りを見た瞬間、これほどのスイングができる高校生は見たことがないと思った。
 投手として見ることができたのは同年8月の夏の甲子園大会。成長痛、骨端線損傷などの悪影響か、投げる姿は痛々しかった。ただ、投打ともに無限の可能性を秘めた選手であることは疑いの余地がなかった。
 3年時もことあるごとに見続けた。成長途中の体のこともあり、まずは日本に残り、それからメジャー挑戦でも遅くはないと思っていた。私の聞く限りでは身内の方も、まずは日本で、との思いが強かったそうだ。実際にここまで故障、ケガとの闘いを続けている。
 大谷は野球をこよなく愛する野球小僧そのものだ。今回の長きにわたる自粛期間中も練習の虫となり、トレーニングを積んできたことは体形、動きから一目瞭然である。フィジカル面ではこれまで以上の力強さが伝わってくる。
 開幕前の実戦で見受けられたのは投球フォームの変化だ。以前はテークバックの際、腕が背中側に入り過ぎ、肩や肘に相当負担のかかる投げ方だった。しかし、今は、腕への負担を最小限に抑えるコンパクトな振りに修正できている。
 腕の振りを変えたことにより、予見できたことがある。制球が難しくなっていることだ。これは下半身と上半身のタイミングが合わなくなって生じることで、徐々に慣れていき、タイミングも合ってくるだろう。
 また、トミー・ジョン手術後の復帰1年目は試運転の度合いが強い。今季からエンゼルスの指揮を執るマドン監督は人心掌握術にたけ、この監督のためならばと思わせる知将である。慎重に慎重を期して大谷を起用するだろう。
 ▼大慈彌功(おおじみ・いさお) 元太平洋クラブ(現西武)捕手。ロッテでバレンタイン監督の通訳を務め、1997年からは同監督が指揮を執ったメッツで日本駐在スカウトに転身。ドジャース、アストロズと渡り歩き、昨年までフィリーズの環太平洋担当部長を務めた。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ