福井空襲75年 悲惨さ伝える 市美術館で朗読劇 

2020年7月20日 05時00分 (7月20日 09時28分更新)
朗読劇「福井空襲」で詩を朗読する劇団員ら=19日、福井市美術館で

朗読劇「福井空襲」で詩を朗読する劇団員ら=19日、福井市美術館で

  • 朗読劇「福井空襲」で詩を朗読する劇団員ら=19日、福井市美術館で

 体験者らと平和願う

 福井空襲から七十五年を迎えた十九日、福井市美術館(アートラボふくい)では市民の体験記や詩を題材にした朗読劇「福井空襲」が開催された。二回の公演に計八十一人が鑑賞に訪れ、悲惨な戦争を二度と起こさないことを誓い、恒久平和を願った。 (堂下佳鈴)
 朗読劇は、福井市出身で俳優・演出家として活躍した宇野重吉さんの功績を語り継ぐ「宇野重吉演劇祭」の実行委員会が主催。「福井空襲史」に収められた詩数編と体験記二編を十六人が朗読し、四人が楽器で伴奏を務めた。朗読中は福井空襲の写真を投影しながら、焼夷(しょうい)弾の爆発音を太鼓や笛で表現するなどし、空襲を体験していない人でも当時の情景を想像できるような工夫があった。
 「焼夷弾がさく裂し、花火が散るようだった。十四歳だった姉は焼夷弾の破片で右腕を切断した」。会場を訪れた多田朝子さん(86)=永平寺町=は当時の様子をこう語った。福井空襲を体験した多田さんは当時十一歳だった。
 多田さんは娘に誘われて鑑賞に来たが、つらいことを思い出したくないという気持ちはなかったという。「自分たちが体験したことを事実として受け止めなければならない」と話し、「戦争だけは絶対にするものではない。勝っても負けても無駄なこと」と戦争の悲惨さを強く訴えていた。 

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