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”盛り上がった”のは琴ノ若と高安の一番ぐらいか…待望の7月場所が始まるも、もろに稽古不足を露呈した一日でした【北の富士コラム】

2020年7月19日 21時46分

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新型コロナウイルス感染症対策のため、観客数を制限して始まった大相撲7月場所

新型コロナウイルス感染症対策のため、観客数を制限して始まった大相撲7月場所

 待望の7月場所が初日を迎えた。本来の名古屋場所を東京で行うことは何だか妙な感じではあったが、お客さまも観戦しているので、あの悪夢のような大阪場所(春場所)に比べると天と地ほどの違いである。やはり、お客さまに見ていただいて大相撲は成り立っているのだナー、とつくづく感じさせられました。
 せっかく、コロナの感染をものともせずに国技館へ足を運んでいただいた以上は、良い相撲を見ていただかなければいけません。しかし、残念ながら幕内の相撲内容は、はっきり言って期待に沿えるものでなかったのは残念でした。私が昨日の展望で心配した通り、もろに稽古不足を露呈した一日でした。
 幕内前半では、少しだけ土俵際にもつれた琴ノ若と高安の一番ぐらいだろう。際どい相撲で場内が一瞬盛り上がったが、遠慮なく言わせてもらうが他の10番の取組はこれと言って見るところがなかった。土俵際も残れない、前にも出られない。予想以上の凡戦ばかりであった。
 後半に入っても一方的な相撲ばかり。正代と阿武咲の投げの攻防、貴景勝と豊山の激しい当たりと押し合いが場内を沸かせたのみ。朝乃山は、元気者の隆の勝を得意の右四つから盤石の寄りで新大関の初日を飾った。鶴竜は不用意な「すそ払い」で自滅する体たらく。苦笑いをする余裕はないはずだが、なぜか笑っている。白鵬は隠岐の海に攻め込まれたが、うまく体をひねって難を逃れた。
 2人の横綱も稽古不足を見せてしまった。時が時だけに、稽古不足でやむを得ないという人もいるが、条件はみな同じである。どうも、春場所のような緊張感が感じられないのは私だけだろうか。百歩譲ってもう2、3日辛抱してみよう。もっと力の入った相撲を見せないと、災害に遭った人たちを力づけることなんてできやしない。
 初日早々文句ばかり言ってしまったが、うれしいこともある。照ノ富士が全盛時をほうふつとさせるような力強い相撲で見事に復活したのは、喜ばしい限りだ。この日のように前に出る相撲を取ったなら、けがの心配はないだろう。十分に大勝ちするだろう。
 期待のホープ、琴勝峰も見事な相撲を見せてくれた。くせ者の千代丸に恐れることなく踏み込んで、一気に寄り切った。まぎれもなく大器である。すくすくと育ってもらいたい。まだ20歳。久しぶりのスター候補の出現である。
 琴ノ若も、つい先日まで大関を張っていた高安を破ったのは立派の一言。腰高のわりには残り腰がある。以上、名前を挙げた3力士が活躍すると、今場所は大いに盛り上がることだろう。
 私もコロナにおびえながら場所入りしたが、協会が万全の寄りを見せていた。ありがたい。これなら15日間、安心してやれそうだ。私のような年寄りは、まさに命懸けである。2日目の土俵は、初日より少しは良くなると思われる。「さあ、元気を出していきましょう」と言いたいが、この日も東京は多くの感染者が出ている。ガックリである。早く飯食って寝よう。(元横綱)
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