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“スクイズの攻防”に1点の重み…変化球ファウルにした中日・加藤 直後なぜ逆の立場で直球から入ったのか

2020年7月19日 12時01分

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5回表1死一、三塁、スクイズを試みるも失敗してファウルにする加藤=18日、甲子園球場で

5回表1死一、三塁、スクイズを試みるも失敗してファウルにする加藤=18日、甲子園球場で

  • 5回表1死一、三塁、スクイズを試みるも失敗してファウルにする加藤=18日、甲子園球場で
  • 5回裏無死一、三塁、西勇(右)がスクイズを決める

渋谷真コラム・龍の背に乗って

◇18日 阪神8-3中日(甲子園)
 安打数は4本も上回った。失策は同じようにした。それなのに完敗した。「なぜ」は5回の攻防に集約されている。
 時系列を逆にして、裏の守備から書く。失策と暴投に安打が重なって無死一、三塁。すでに2点差。これ以上の失点は許されない。打順は投手の西勇だが、開幕戦で本塁打を放っており、強攻もある。それ以上に考えられるのがセーフティースクイズだ。初球に選んだ143キロのストレートを、教科書通りの一塁側に転がされ、ビッグイニングが始まった。
 時計の針を少し戻す。表は連打で1死一、三塁の好機をつくり、8番の加藤が打席に立った。2球目にセーフティースクイズ。135キロのスライダーをファウルした。暴投で二、三塁にはなったが空振り三振。代打・遠藤も倒れて得点できなかった。
 僕が問いたいのはファウルと成功、無得点と失点という結果ではない。初球(見逃し)、2球目とスライダーを投げさせた梅野と、直後に自分が逆の立場に立ったときに外角ストレートを要求した加藤。果たしてその選択で良かったのか。試合中から何人かの野球人に聞いてみた。全員が「変化球」と答えた。理由は「様子を見るため」。つまり変化球で探れと教科書に書いてあるのだ。バントのしづらさ、ボールになったとしても構えをしてくれば、次の球で一塁手が動きやすい。警戒、想定、準備はできていたのか。この1点の重みを理解していたのか…。
 「あそこ(加藤)もセーフティー気味なのがファウルになってしまったり、(西勇のも)タイミング的にアウトになるかなってところが、少し時間がかかってしまったりだとか…」
 与田監督は苦い表情でこう言った。野球は最後まであきらめてはいけないが、現実は「5回まで」のスポーツでもある。今季の「5回終了時にリードしたチーム」の勝率は8割4分7厘。この日の西武のような打力があってこそ、1割5分3厘の逆転が可能となるのだ。
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