「密」防いで車ごと避難 浜松で新モデル見学会

2020年7月17日 05時00分 (7月17日 05時02分更新)
軽トラックを活用したワンルームカーの新モデルを紹介するナミレの中村雅さん=浜松市北区で

軽トラックを活用したワンルームカーの新モデルを紹介するナミレの中村雅さん=浜松市北区で

  • 軽トラックを活用したワンルームカーの新モデルを紹介するナミレの中村雅さん=浜松市北区で
  • 室内の風通しを良くするために設けた換気扇(右上の白い部分)や網戸=浜松市北区で
  • ワンルームカーの室内。居住空間の上方に簡易ベッドを設けられる=浜松市北区で

 スズキ元社員が創業したナミレ(浜松市西区)が、災害時の避難スペースになる「ワンルームカー」の新モデルを開発した。キャビン(居住空間)の風通しを良くして「密」を防ぎ、走行時の安定性も高めた。新型コロナウイルスの流行下で豪雨災害が相次ぐ中、避難生活と感染対策を両立する手段として提案する。 (久下悠一郎)
 ワンルームカーは、軽トラックの荷台にコンテナ状のキャビンを搭載する。大人二人が五日間暮らす想定で、容量二十リットルの貯水タンクを備え、大型バッテリーや太陽光発電でスマートフォンの充電器や室内照明の電力を賄う。トイレ、ガスコンロ、ソファ、簡易ベッドになるマットレスといった生活に最低限必要な物もそろう。
 キャビンの材質は主にアルミで断熱材も入っているが、前のモデルは結露の発生が課題だった。三代目となる新モデルは枠に木材を使用し、軽量化と湿気対策を強化。出入り口も網戸との二重扉にし、換気扇と合わせて室内の風通しが良くなるように工夫した。
 キャビンを載せた状態の高さは二・二メートル。走行時に受ける横風やカーブを曲がる際のバランスを考慮し、前のモデルより〇・三メートル低くした。中村雅(ただし)代表(63)は「大型商業施設の自走式立体駐車場にも入る。日常や余暇で使いつつ、いざというときに車ごと避難できる」と説明する。
 ナミレは、スズキで変速機などの開発に携わった中村さんが退職に合わせて二〇一七年に設立。趣味のキャンプ経験を生かし、キャビンを「貨物」として市販車に載せるワンルームカーの開発を続ける。三代目の製作は今年二月ごろ開始。程なく新型コロナの感染が国内で拡大し、「コロナを含めた災害」(中村さん)を意識して造り込んだ。
 感染を防ぐため、避難所運営では三密(密閉・密集・密接)の回避が課題となっている。七月に豪雨被害に見舞われた熊本県人吉市では、千人規模が入るスポーツ施設の避難者数が制限された。中村さんは「車中で過ごす人が増えるほか、被災者を支援する自治体職員やボランティアが休養できる空間も必要」とワンルームカーの有用性を語る。
 キャビンの想定価格は百六十五万円。組立工場がある浜松都田インキュベートセンター(北区)で十九日まで見学できる。中村さんは「避難所でキャビンを取り外して軽トラックを物資の輸送に転用できるように、さらに改良を進める」と意欲を見せる。

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